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保育士さんをサポートし、保護者の安心を増やす! 乳児午睡見守り支援システム「べびさぽ」

編集部:現在、「べびさぽ」の導入状況はいかがですか?

渋谷:おかげさまで多くの問い合わせや引き合いを頂いており、北は青森県から南は沖縄県の保育園まで導入させて頂きました。ただ、お声がけ頂いた多くの保育園には設備投資予算が無いという実態があり、「自治体に補助金制度があれば導入を検討するのだが……」と導入を見送られるケースも多いです。

編集部:東京都などは積極的にIT設備関係の補助金を出していますが、それ以外の地域は厳しいのですね……。実際に導入された保育園からは、どのような感想がありますか?

渋谷:午睡の様子をリアルタイムに映像で見ている園長先生と、現場にいる担当の保育士の方でダブルチェックできるのが良いですとか、人とシステムのダブルチェックで安心という声を頂いています。それから、「何かあったときに映像が残り、保育士がきちんと対応していた証拠が残るのはありがたい」というコメントも多いですね。また、このようなシステムを導入していることを保護者にお伝えすると、みなさんとても安心されるそうです。

編集部:私も1歳半の娘を保育園に預けているのですが、こういうシステムはぜひ導入してほしいと思います。

 

「映像の分析」から、病気の兆候を発見できるかも!?

編集部:最後に、今後の展開を伺えますか。

渋谷:たとえば映像記録を蓄積し、「子どもたちの様子」や「ランプの点灯状況」、「保育士さんの良い行動・悪い行動」を分析することによって、より高度な画像解析AIシステムができるかもしれません。それによって、事前に危険を察知したり、病気の兆候を発見できる可能性もあります。

編集部:子どもがこういう動きをしたら要注意、というような?

渋谷:そうですね。危険が発生する兆候があるとしたら、映像を分析するAIにそれを学習させ、事前に抑止することも可能になってくるでしょう。これまでの技術では「危険な瞬間を察知すること」しかできませんでしたが、より大切なのは「危険を事前に予知して回避すること」であり、いかにしてそれを実現するのかが、今後の私たちの課題だと思っています。


「べびさぽ」の将来像について語る渋谷さん

 

取材を終えて

「午睡見守りシステム」に取り組む各社は現在、子どもたちの「体温・体動・心拍」などのデータから病気の兆候を察知しようとしていますが、「べびさぽ」は「映像」からそこに取り組まれています。「映像」は非常に情報量の多いデータですから、蓄積されたデータの解析条件や精度によって今後も大きな可能性や発見があるのではないでしょうか。また、子どもたちの午睡見守りをサポートするシステムが普及して保育士さんの精神的な負担が軽くなれば、きっと保育士志望者も増えることでしょう。そのためには、やはり自治体による支援が欠かせません。ぜひ、全国の自治体でITシステム導入の補助金制度の充実を進めてほしいと思います。