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保育士さんをサポートし、保護者の安心を増やす! 乳児午睡見守り支援システム「べびさぽ」

編集部:つまり5分ごとの保育士さんによる午睡中の見守りのうっかり忘れなどがないように、お知らせしてくれるということですね。

渋谷:その通りです。もともと「べびさぽ」は、子どもたちの午睡を見守る保育士さんをサポートする目的で開発しました。その背景には、SIDS(乳幼児突然死症候群)対策として厚生労働省が通達した「5分ごとの見守り行動」があります。「べびさぽ」を開発するにあたり、私たちはこの「5分ごとの見守り行動」が漏れなく守られていれば、SIDSを防げる確率が上がるのではないかと考えました。


「べびさぽ」を構成するランプ、カメラ、タブレットのセット

編集部:御社のパンフレットによれば、「べびさぽ」は危険につながる子どもの「うつぶせ寝」もお知らせしてくれるということですが、これはどういう仕組みでしょうか?

渋谷:先ほどの5分ごとの見守り行動をサポートする機能は5〜6名の子どもに1台のカメラで対応していますが、「うつぶせ寝」を検知したい場合は子ども1名に1台のカメラを使用します。この寝返り見守りモードでは「うつぶせ寝につながる大きな寝返り」を検知すると、ランプが黄色く点灯し、30秒経過するとランプが赤色に変わってお知らせします。そして保育士さんが子どもの寝ている姿勢を整えると、またランプは緑色に戻ります。このセッティングを適用するのは、だいたい生後2、3ヵ月〜半年くらいまでの一人で寝返りが出来ないお子さんや、体調が悪いお子さんなど、特に注意して見守る必要がある場合などですね。

編集部:「べびさぽ」は「うつぶせ寝」そのものを検知するのではなく、「大きな寝返り」を検知するのですか?

渋谷:これにはちょっとした背景があります。「べびさぽ」を開発したきっかけは、仙台市の保育事業者様から「子どもたちのうつぶせ寝を検知するシステムを開発してほしい」という依頼を受けたことでした。しかし実際の現場で確認させていただくと、そもそも子どもたちの「うつぶせ寝」にはさまざまな姿勢がありました。これは映像解析を専門にする当社からすると、「うつぶせ寝に明確な定義がない」ということだったのです。当社にはAIを使ったさまざまな映像解析技術がありますが、そもそも「うつぶせ寝」がどういう状態か定義できないと検出しようがありません。

編集部:たしかに、人間と違って機械が「あいまいな状態」を判断するのは難しそうですね。


午睡する子どもたちを見守るカメラ