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保育士さんをサポートし、保護者の安心を増やす! 乳児午睡見守り支援システム「べびさぽ」

渋谷:ですから、根本的に発想を転換しました。保育の現場では、すでに保育士さんが5分に1回、子どもたちの寝姿勢を確認し、うつぶせ寝を修正しています。ですから当社はシンプルに、子どもがうつぶせ寝につながる大きな寝返りをしたら、それをすぐに保育士さんにお知らせして、寝ている姿勢を確認していただくシステムにしました。なお、この際にはモロー反射など、うつぶせ寝につながらない小さな動きは検知しないように調整しています。

編集部:たしかに保育士さんの目で確認していただくのが、一番確実な方法ですね。

渋谷:「べびさぽ」の使い方をまとめますと、ランプが黄色くなったり赤くなったりしたときに、保育士の皆さんがこれまで通り子どもたちの様子を確認するだけで、なんの操作も必要なくランプは元の緑色に戻ります。午睡に入る際にシステムのスタートボタンだけ押していただければ、あとはカメラが自動的に画像を認識して、必要なサポートを行ってくれるという仕組みですね。


保育園の室内で柔らかく光るランプ

編集部:導入が簡単といいますか、操作関係も手間がかからないですね。他の方式の午睡見守りシステムのように、子どもにセンサーを取り付けたり、外したり、マットを敷いたり、片付けたり……といった作業も発生しませんし。ちなみに、なぜランプでお知らせするという仕組みになったのですか?

渋谷:「べびさぽ」で使っているのは、インテリアにも使われる間接照明の柔らかい光を放つランプです。子どもたちを起こさないよう、できるだけ音は立てずにお知らせすることを目指しました。ランプを使っているもう一つの理由は、担当の保育士さんの手がふさがっていて動けないときに、他の先生がたがランプの色の変化に気づいて対応できるようにするためです。つまり、このシステムでは1人の保育士さんがすべてに対応したり責任を負わせられるのではなく、保育士さん同士がお互いに助け合えるようにすることを目指しています。

 

「生死に関わる職場の重圧」を少しでも軽減するために……

編集部:非常にユニークなシステムの「べびさぽ」ですが、これはどういった経緯で開発されたのですか?

渋谷:先ほども申し上げたように、開発のきっかけは仙台市の保育事業者様から「うつぶせ寝を検出してほしい」という依頼を受けたことでした。保育園に当社のカメラを置かせて頂いて保育の現場を分析し、さらに保育士のみなさんにヒアリングさせていただいた結果、問題の本質が見えてきたのです。それは「保育の現場は生死に関わる重要な場所であり、保育士の皆さんには重い責任がのしかかっている」ということでした。