BTA2023受賞商品発表!

保育士さんをサポートし、保護者の安心を増やす! 乳児午睡見守り支援システム「べびさぽ」

編集部:保育士の皆さんが安心して働くための、「環境整備」にも繋がるわけですね。

渋谷:もう1つ、開発前に保育士さんに伺ったのは、ビデオカメラで撮影されることはイヤではありませんか、ということです。すると意外なことに、むしろ撮影して欲しいということでした。それは自分たちがしっかり保育に取り組んでいることを記録に残してほしいということと、記録として残されていないと万一の際の検証もできないということだったのです。こういったことから、「べびさぽ」は子どもたちの「うつぶせ寝」を検知するセンサー的なものではなく、保育士の皆さんの対応や保育園の運営をバックアップするシステムとして開発がスタートしました。ちょうど2016年頃のことです。

 

「保育現場の動画」は「保育の質」を向上させる!

編集部:「べびさぽ」で録画された映像は、どのように活用されているのでしょうか?

渋谷:「べびさぽ」の録画記録は録画中にどのようなイベントが発生したか、一目でわかるようになっています。録画時間全体を示す表示の中に「薄い黄色の帯」「濃い黄色の帯」「赤い帯」があり、それぞれ「4分30秒の間に動きがなかったためランプが黄色になった」「子どもがうつぶせ寝につながる大きな寝返りをした」「5分以内に保育士さんの見回りが無く、ランプが赤色になった」ことを示しています。それら色がついた時間帯を選択すると、そのときの赤ちゃんの様子や保育士さんがどういう動きをしていたのか、ということが映像で確認できます。たとえば映像からおしめを替えていて、確認に行くのが遅れたのだな……ということがわかれば、そのようなときは他の保育士さんと分担して確認をやりましょう、などと業務の改善ができるわけです。

編集部:「このとき何やってたの!?」と、保育士さんを問い詰める必要はなく、正確に状況を振り返ることができるのですね。

渋谷:人間はそれほど詳細に状況を覚えていないものです。あとで振り返って業務改善に繋げられる、というのが一番の特徴だと考えています。

編集部:これは「保育の質の向上」に繋がりそうですね。


タブレット端末に「べびさぽ」の動画が表示される

渋谷:はい。こういったツールを使っていただくことで、事故を未然に防止する対策も取れると考えています。また、保育士さんが他の保育士さんのやり方を映像で見ることにより、「あっ、この人はこういう風にやっているのか。私も見習おう」ということもあるわけです。つまり、映像には教育効果もあります。それこそ、保育士の方たちにとっての良い教材にもなるでしょう。