BTA2023受賞商品発表!

アナログな「木のぬくもり」とデジタルな「スマホ」が融合したIoT知育玩具「ころぴゅーた」


「ころぴゅーた」のための新ブランド「リプラグキッズ」

編集部:開発する上で苦労された点はありますか?

永嶋:ひとつの製品の中にデジタルとアナログの両面があるため、開発にとても時間がかかったことです。ブロックに採用したRFIDタグは品質と価格の調整が大変でしたし、木製ブロックも自分たちで板を切り、一つ一つ手作りしました。プロトタイプから外観はほとんど変わっていないのですが、細かい調整点は無数にあります。たとえば木製ブロックの底の厚みを増したらRFIDタグの読み込みがうまくいかず、また元に戻すためにブロックを手作業で切り出して……というようなことを繰り返しました。

編集部:デジタルとアナログを融合するために、やはり細かいところでさまざまな苦労があったのですね。

 

夢中になって遊ぶことで、子どもの創造性や能力が自然に引き出される

編集部:実際に「ころぴゅーた」で遊んだ子どもたちや、保護者の感想はいかがですか?

横田:2018年8月に開催された「Maker Faire Tokyo2018」という展示会に、「ころぴゅーた」の初期のプロトタイプを出展しました。これは現在のものより少し大きかったのですが、形状や遊ぶ仕組みは同じものです。そこに来場した子ども達や保護者の方に遊んでいただきました。まず、子ども達は本当に夢中になりますね。とにかくブロックをスロープで転がすことが楽しいようで、えんえんと遊んでくれました。また、ブロックをしまうケースのくぼみにも文字が書かれているのですが、そこにブロックをしまうお片づけも夢中になってやってくれていました。

永嶋:「Maker Faire Tokyo2018」では、もうひとつ別のデジタル系のおもちゃを出したのですが、「ころぴゅーた」の方が圧倒的に人気でした。 こっちのおもちゃが空いてるよ、と子ども達に言っても「ころぴゅーた」の列に並び続けるほどで、とにかく転がすのが楽しいようです。途中で飽きる子もいませんでした。


「ころぴゅーた」で遊ぶ子ども

横田:「ころぴゅーた」の転がりは特に改良を重ねたところです。傾斜角度や転がる速度、スムーズさなどを何度も計算してプロトタイプを作ってきました。子どもたちにとって「本能的・直感的に遊べるもの」であることが大切だからです。もうひとつの感想としては、保護者の方たちから「木」の玩具であることを大変評価いただきました。こういったデジタル要素のある玩具はプラスチック製のものが多いので、手触りの良い木製という点に魅力を感じたとのことです。ライフスタイルにこだわりのある保護者の方も、木の自然な色や温かみが心地よく生活空間に馴染むので、リビングルームに置いておきたくなるということでした。