BTA2023受賞商品発表!

天井に設置されたカメラとタブレットのみで、午睡チェックを強力にサポートする「ベビモニ」

編集部:実際に保育士の方たちの「労力を削減できる」ということと、「精度が高い」という2点がベビモニの特徴ですね。

カメラとタブレットを用意するだけ! 手間いらずなベビモニ

医療現場で活用されてきた「画像解析技術」が、保育の現場で活かされた

編集部:ベビモニを開発された経緯について伺えますか?

浦上:もともと当社はヘルステックが専門で、さまざまな画像解析で医療分野に貢献してきました。その中で偶然、先ほどお伝えしたような保育現場での「午睡チェックシステム」に関する問題を聞いたわけです。医療分野で関係のあった厚生労働省からも、「午睡チェックシステム」の普及を後押ししているけれども、なかなか広がらないというお話を伺いました。そんな背景から、この問題は当社の画像解析技術を使えば解決できるのでは……と考えたのが、ベビモニ開発のきっかけでした。

編集部:苦労された点はどのようなところでしょうか?

浦上:画像解析にAIを使う上で必要だったのが、まず大量の「午睡中の子供たちの寝姿」の画像を集めることでした。実は子供だけでなく、大人を含めても「寝ている状態の人間を真上から撮影した画像」のデータというのはあまり無いのです。通常の画像解析で使うデータは、人間を横から撮影しているので、画像の上の方に頭があり、下の方にあるのが足と決まっています。ところが、寝ている状態の人間を真上から撮影すると、カメラに対して常に同じ方向で寝ているわけではありませんから、そういう常識が通用しません。画像の下の方に頭があったり、上に足があったりすることも普通に起きます。ですから、AIの精度を上げるための画像収集には相当な時間がかかりました。こちらについては、ベビモニのコンセプトやビジョンに賛同いただける保育施設を探し、保護者の方にも許可を取り、カメラを設置させていただきました。

編集部:他に苦労された点はありますか?

浦上:保育施設との接点がなかったため、製品の販売ルート開拓に苦労しました。現在は株式会社ウェルキッズ様の「WEL-KIDS」、続いて株式会社コドモン様の「CoDMON」と提携し、こちらの2社様に非常にお世話になっております。おかげさまで認知度が上がり、お問い合わせも非常に増えています。

寝ている子供の画像を真上から撮影した画像は少ない

導入した保育施設からは、圧倒的な支持の声が寄せられている

編集部:現在の利用施設数と、利用者の声について教えてください。

浦上:現在、数十施設に導入いただいております。また、2021年の夏以降、これまでの半年分くらいの問合せが1ヶ月で寄せられるようになりました。利用されている方から一番多いコメントは、「簡単です」、「ラクです」、「片付けや電池交換の手間がなく非常に助かっています」といったものです。また、「ベビモニのおかげで子供たちが寝ている時間に、子供をよく見られるようになりました」「子供に集中して業務ができるようになりました」というお声もいただいています。