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子どもたちにとって「社会への扉」となる「ごっこランド」

編集部: 息子さんはどんなアプリをやっていたのですか?

平田: 彼がやっていたのは、「部屋をお掃除するゲーム」でした。非常に面白い現象だと思いますが、それまではいくら「部屋を片付けなさい!」と言ってもダメだったのに、そのゲームをやるようになってから、自分から率先して部屋を片付けるようになり、さらには「掃除機をかけてみたい」とまで言い出したのです。だから私たちは「ごっこランド」について、子どもがゲームという「疑似体験」で「成功体験」を積み、「自分でもやってみたい!」という「リアルな衝動」に結びつくきっかけになることを一番に考えています。

子どもたちが「リアル(現実の仕事)」に興味を持つきっかけに

編集部: ゲームがリアル(現実社会)に結びつくのですね。

平田: たとえば、「ごっこランド」で製菓会社が提供しているゲームでは「ケーキのトッピング」を体験できるのですが、そのゲームをした子どもがおやつにホットケーキを出されると、自分でなにかしらトッピングをしたがり、しかもそうして自分でトッピングしたものを他の人にあげて喜んでもらって満足感を感じている、という体験談を頂きました。このように「さまざまな仕事を子どもたちが疑似体験」することと、「実在の企業ブランド」を結びつけた事例は「キッザニア」をはじめいろいろありますが、なかなか遠くて行けない場合も多いでしょう。それをスマホやタブレットで体験できることは、保護者の皆さんにも喜んでいただけるのではないかな、と思います。


「ごっこランド」のプレイ画面。「本物の仕事内容」をリアルに再現

平田: それから、「ごっこランド」にゲームを提供している外食企業には「実際の店舗で仕事体験ができるイベント」を開催しているところがいくつかあるのですが、「ごっこランド」をプレイした子どもたちがそれらのイベントに参加したい!と、親に言ってくれる現象が起きています。これまでは「親がイベントを見つけて子どもを参加させる」のが普通でしたが、「子どもが自主的にイベントを発見し、親を動かす」という流れができたわけです。これはイベントに参加する上で非常に大きな「動機付け」になるでしょう。

編集部: そういうイベントの参加を子どもにせがまれて、断れる親はいませんね。

平田: 「ごっこランド」では「イベントの告知」と「参加申し込み」の両方が可能になっています。これにより企業の仕事体験イベントの参加申し込み者数が大幅に増えたり、イベント参加者の5割近くが「ごっこランド」経由だった、という事例も伺いました。私たちとしてはゲームを通じて、そんな「子どもたちの能動的なアクション」を引き出すことに、これからもチャレンジしていきたいと考えています。