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保育士の業務の4割は書類作成?! 現場の負担を軽減する「CoDMON(コドモン)」

編集部: 保護者の方にヒアリングする機会はありますか。

小池: これまでは、積極的に保護者の皆様にヒアリングをすることはありませんでした。私達は保育士さんファーストで事業を進めていることが価値であり、保育施設や保育士さんに寄り添うことを第一優先としたからです。これからは保護者の方へのサポートにも力を注ごうと、7月より新たな取り組みをスタートしたところです。

編集部: 保護者の方へのサポートも注力していくことを決めた理由をお聞かせください。

小池: たとえば、2歳頃までの子どもの成長は日々めざましいものがありますよね。首が座った、ハイハイができるようになったなど、大きな変化には気づけたとしても、哺乳瓶を持てるようになったといった、ちょっとした変化には気づけないこともあります。どんな変化であっても、子育てをしている保護者にとっては、かけがえのないものです。保育園では体重や体温、日常の変化などを細かく記録しているので発育に関する情報を保護者も把握できれば、発育状況の理解が深まりますし、保護者と保育施設との連携を強化するきっかけにもなるはずですから。

 

データを活用して保育士、子どもたち、保護者、すべての人を幸せにしたい

編集部: データを通じて見えてくることが、たくさんありそうですね。

小池: 発育に関する情報はとても重要です。子どもにどんな教育を受けさせるべきかを検討する際の参考にもなります。場合によっては、子どもたちの未来にも影響を与えかねません。子どもの発育についての情報はまだまだママの方がパパよりも把握している傾向にありますから、今後は両親で情報を共有できるシステムの提供もめざしていきたいですね。

編集部: これからの展望について、お聞かせください。

小池: 業務の効率化を図りながら、情報をデータとして残せることが弊社のなによりの強みだと感じています。たとえば、ごはんをたくさん食べているはずなのに身長体重が増えないケースがあったとして、その子に発育上の問題があるのか、それとも発育を阻害するような事情があるのか、その原因を突き止めることができるかもしれません。厚生労働省や自治体であっても管理していない重要な情報ですから、データ管理に万全を期すとともに、使命感を持って、社会的にも価値ある活用につなげていきたいですね。

 

<取材を終えて>

保育士さんの業務のおよそ4割の時間が書類作成に費やされていることにたいへん驚きをおぼえました。デジタルツールに不慣れな人でも使えるようシンプルな操作性を実現するなど、細やかな配慮や工夫は、現場の声に真摯に傾けているからこそなせる業なのかもしれません。命を預かる保育の現場で保育士さんが疲弊してしまうことなく、子どもたちと向き合う時間や心のゆとりが増えれば、保育業界の明るいニュースも増えてくることでしょう。