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時短勤務に特化した転職エージェント「リアルミーキャリア」

編集部:他の転職エージェントでも時短勤務を謳うことはないのでしょうか?

増山:既存の転職エージェントさんに登録した場合、時短という条件では求人を案内できないと、断られてしまうケースや時短という条件を伏せたまま転職活動をするよう指導されるケースが多いようです。

編集部:転職するうえで時短勤務がこんなにも厳しい条件だとは想像していませんでした。「リアルミーキャリア」ではどういった企業、職種の紹介が多いのでしょうか?

増山:ITなど成長産業の会社が多いです。職種は営業、マーケター、エンジニア、デザイナー、経理や人事、事務など幅広いですね。ベンチャー企業は成長力に対して採用力がまだ追いつかず、人材確保が難しいためフルタイム以外の人材が活躍しやすい構造になっています。

編集部:その一方で時短勤務での転職が厳しい業界などはありますか?

増山:大企業やメーカーなど伝統産業は保守的な面があり、まだまだハードルは高いです。

 

転職したくても時短では雇ってもらえない–––––ワーキングマザーが抱えるジレンマ

編集部:時短勤務に特化した転職エージェントを立ち上げるまでの経緯やきっかけを教えてください。

増山:共同創業者の女性が2人の子どもをもつワーキングマザーでして、彼女の普段の生活に密着させてもらう機会がありました。日中は仕事をして、夕方に保育園に子どもたちを迎えに行き、家に帰ってきたらご飯を作って、食べさせる。寝かしつけるまで息つく暇もありませんでした。こうした経験から最初はフレックスタイムで働ける仕事に転職できるコンセプトでサービスを始めたのですが、問い合わせてくださった方から「フレックスで働く以前に転職自体ができない」という悩みをお聞きし、そこではじめてワーキングマザーが転職時に直面する悩みを知ることになりました。共同創業者の女性はフレックス制度を使ってフルタイムで働いていたこともあり、転職が難しいという考えに至らなかったのです。こうした経験を踏まえ、時短勤務のまま転職できるということが大きな価値になると考え、サービスを立ち上げることになりました。

編集部: サービス立ち上げから現在に至るまで困難なことはありましたか?

増山: 比較的すぐにワーキングマザーの方から「転職ができなくて困っている」といった相談は寄せられたのですが、肝心のご案内する企業探しは困難を極めました。2017年10月からスタートし、しばらくは登録される方だけがどんどん増えるものの、紹介できる企業がわずかしかないという状況でした。求人サイトで掲載されている企業に営業をかけましたが、人手不足であっても「時短」という条件では受け付けてもらえないケースが多くありましたね。ITベンチャーを中心に取り扱う企業が増えてきたころからようやく回り始めるようになっていきました。