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ICTで「病児保育」が変わる! 病児保育ネット予約サービス「あずかるこちゃん」

 

「あずかるこちゃん」の今後の展開は?

編集部: これからの「あずかるこちゃん」の展開は、どのようにお考えでしょうか?

園田: 私が「病児保育」における課題と考えているのは、「そもそも知られていない」および「施設の利用率が低い」、「まだまだ施設が少ない」の3つです。最初の2つについては「ポータルサイト」と「ネット予約サービス」が解決に向けた取り組みであり、「施設が少ない」という点については、潜在的な利用者数を試算すると現在の病児保育施設数は不足していることを今年8月頃に論文としてまとめ、全国の市区町村などに訴えていく予定です。今年の7月にリリースするポータルサイトについては全国の施設について網羅することを目指しており、予約サービスについては東京都を中心とした関東の施設がメインとなる予定で考えています。なお、「ネット予約サービス」の導入はリモートでも可能なので、遠隔地の病児保育施設の方にもお声がけいただきたいですね。

編集部:これらの課題を解決に取り組む体制は、現状どのようなものでしょうか?

園田:現在、「あずかるこちゃん」の取り組みを実現するために、小児科医、エンジニア、病児保育専門士、プロボノ(社会貢献にボランティアで取り組む専門家。例:デザイナー、コンサルタント、プログラマー、他)の皆さんなど、たくさんの方のご協力を頂いています。また全国病児保育協議会や病児保育施設の方たちにご協力いただいていることが、私たちにとって最大の強みになっております。さまざまな形で産官学の連携も進めているほか、4月からはクラウドファンディングも始めます。これは資金調達だけが目的ではなく、「病児保育」という社会問題について世の中の人に知ってもらうための広報的な意味と、何より多くの人の力で一緒にこの課題を解決していきたいという想いが大きいです。

編集部:連携先は、どんどん広がりそうですね。

園田:いずれは保育園とも連携していきたいと考えています。たとえば日中に保育園で子どもが熱を出したら、保護者が来なくても病児保育に行けるようにする、などです。ここには企業も巻き込みたいと考えています。なぜなら「病児保育の連携」が進めば、子育て中の社員が急に呼び出されたり、リモートワークの社員が子どもを看病しながら仕事をするといった事態が解決でき、企業にとってもメリットがあるからです。このようにさまざまな関係者と連携し、子どもが安心して育つことができるネットワークを作りたいと思っています。