BTA2023受賞商品発表!

離れていても、一緒に育児。「ちょっと見てて」を叶える、遠隔協同子育てロボット「ChiCaRo(ちかろ)」

奥:私たちは、「ロボットが間に入ることで愛情が増える」と考えています。自由に動き回る子どもたちに、ずっとタブレットの画面を見ていてもらうことは、そもそも集中力が続きません。人の形に近く、子どもが動いてもついてきてくれたり、ハンド機能でおままごとの相手もできるロボットを間に入れることで、飽きが来ませんし、ハグができたり、頭をなでたりできたりとロボット自体に対しても愛情をもって向かい合えるのだと思います。

編集部:なるほど、そんな効果もあるのですね。

奥:子どもたちにとって、ロボットはものでもなくペットでもない特別な存在なのではないでしょうか。利用者の方からは、「ChiCaRoと遊ぶようになってから、他のおもちゃに対する扱いも優しくなった」といった感想もいただいています。

ロボットという一緒に遊べる本体があるから、そこに愛情が生まれる

編集部:ありがとうございます。先程のお話にありましたChiCaRoの他の機能についても教えていただけますか?

奥:現在、開発中のものが多いのですが、ChiCaRoにはお子さんに振る舞いからその子の特徴を分析し、ChiCaRo自体が、子どもの力を伸ばすためにおすすめの遊びをセレクトし、様々の能力をレポートしてくれる機能などになります。

編集部:子どものどんな能力を分析しているのでしょうか?

奥:現段階では「話す力」「聞く力」「状況を判断する力」「理解する力」など、大きく分けて4つの項目の能力を測定しています。そして、例えば「理解する力」であれば、絵本やお絵かきクイズといったそれに関係している遊びを搭載された200種類以上の遊びの中からおすすめしてくれるんです。

子どもに合わせて遊びをセレクトしてくれる「チャイルドマインダーAI」

編集部:子育てをするママやパパ、特の一人目のお子さんを育てる方にとっては嬉しい機能ですね!

奥:他にも現在開発中の、保育士や小児科医と繋がれるリモートシッティング機能や、ChiCaRoに搭載されたAIがお子さんの可愛らしい表情を撮影してくれるAIカメラモードなどがあります。

編集部:今後のChiCaRoが楽しみですね!

働く母親にとって、本当に必要なものを詰め込んだ

編集部:ここからは、ChiCaRo開発の経緯についてお話をうかがっていけたらと思います。どのようなきっかけがあって、開発へと至ったのでしょか?

奥:ChiCaRoが生まれたのは、電気通信大学のとある研究室。そこに務める、新米ママ研究員の阿部という女性が、自身の研究分野である「ロボットと子どものインタラクション」というテーマを活かし、何かできないかと考えたのがきっかけです。