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妊娠・出産・子育ての大切な記録を残すなら、これからは「アプリ」が最適!?「母子健康手帳アプリ」

もう1つは、2019年7月にスタートした「胆道閉鎖症」の赤ちゃんの早期発見につながる「うんち検診」という機能です。この「胆道閉鎖症」という病気は日本では毎年100~150人の子供が発症し、早期に手術すれば生存率が高いのですが、早期に発見できずに亡くなってしまうケースもあります。この早期発見のカギは「赤ちゃんの便の色」で、紙の母子手帳にも「赤ちゃんの便を添付の『便色シート』と見比べて、薄い色に近いときは診察を受けてください」と書いてあるのですが……ご存知ですか?

編集部:たしかにそんなシートを見たような気がしますが、使っていませんね。

湊:現在、厚生労働省の後援で、「胆道閉鎖症」の早期発見につながる「うんち検診」が、産婦人科・小児科病院を通じて呼びかけられています。そこで「母子健康手帳アプリ」は、「赤ちゃんの便」と紙の母子手帳の「便色シート」を並べてスマホのカメラで撮影し、その画像を医師に見せることで「胆道閉鎖症」の疑いがあるかどうか診断できるようにしました。これにより、従来の「便色シートで○番の色に近かったです」という保護者の方の自己申告に頼らざるを得なかった問題と、もし保護者の方が便の写真を撮影していても、カメラやスマホ画面の性能によって実際の色と異なるため、確実な判断が難しいという問題を解決できます。便と便色シートを並べて撮影すれば、どのサンプルの色に近いのか、画面の中で医師が判断できるからです。


「うんち検診」機能の画面イメージ

湊:もともと「母子健康手帳アプリ」は、当社とマタニティマークを発行しているNPO法人「ひまわりの会」と、自治体向けITサービスに強い株式会社ミラボとの共同サービスです。このうち「ひまわりの会」は厚生労働省の後援を受けていることから、特に胆道閉鎖症対策への問題意識が強く、それがアプリに「うんち検診」の機能が搭載されるきっかけになりました。この機能を搭載することで、まずはアプリを利用される保護者の方たちに「胆道閉鎖症」という病気の存在を知ってもらい、その早期発見・早期治療につながる「うんち検診」が普及することを目指しています。

 

使ってみればすぐにわかる、母子手帳が「アプリ」になることの凄さ

編集部:利用者の感想は、どのようなものが寄せられていますか?

湊:アプリで簡単につけられる成長記録はとても良い記念になります、という利用者の方からの声は多いですね。「母子健康手帳アプリの存在が、つらかった妊娠中の心の支えになりました」というコメントもあり、これには「母子健康手帳アプリ」の開発運営に長く携わっていた担当者が感激して涙を流していました。それから防災時のバックアップになるという点も、利用者の方たちの間では関心が高いです。また、当社と契約してこのアプリを情報発信に利用いただいている自治体の方からは、「使いやすい」「思ったよりも簡単に情報発信ができた」「イベントの日程変更時の連絡の手間が軽減された」といった声をいただいています。医療機関からも、妊娠・出産後のタイムリーなタイミングで必要な情報が配信されているので、保護者の役に立っていると評価されています。