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失敗を恐れない子どもの心を育てる「ハクシノレシピ」

高橋: 株式会社Hacksiiの設立が2018年10月で、「ハクシノレシピ」をスタートさせたのは翌月の11月からです。2019年6月からは、「ハクシノレシピ」についてお伝えするオウンドメディア「ハクレピPLUS+」をリリースしました。

この事業を始める以前、私はある「子どもたちの脳を鍛えること」に重点を置く幼児教室で講師をしていました。そのときに、子どもたちが大きくなるにつれ、「正解を出さなければならない」「間違えちゃいけない」と、どんどん画一的になってしまうのを目の当たりにしたのです。それがとても残念で、この価値観を変えなければ日本に未来はないと思ったのが、「ハクシノレシピ」を始めるきっかけになりました。

これから世界はどんどん変わっていくなかで、子どもたちにどんな教育をしてあげれば良いのかわからない、と多くの保護者の方が感じられています。また、正解を与えてはいけない……そう思いつつ、つい手や口を出してしまうことに悩まれています。だから私たちは、料理体験を通じて、子どもたちが色々なことにチャレンジし、間違いや失敗を恐れずに自分の意見をイキイキと言えるようにしたいと考えています。

ここで、なぜ「料理」なのかと言いますと、理由は2つあります。1つ目は私が働いていた幼児教室で学んだ「子どもの脳の発達」に不可欠な要素が、料理を通じてすべて体験できることです。料理をしている最中は、「視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚」の5感をフルに使うので、頭に非常に良い刺激を与えられます。2つ目は、「正解しなければならない」という価値観を変えるためには、「失敗しても大丈夫」「失敗は学びに変えられる」といった体験をしなければなりません。その点、料理は「正解」や「失敗」というものがなく、アイデア次第で新しいものを生み出すことができます。この2つの軸から、これからの子どもたちに必要な能力を身につけてもらう上で、「料理」が最適だろうと考えたのです。

編集部: たしかに通常の幼児教室では、五感すべてを使うのは難しいですね。

 

まったく新しい「料理体験」がもたらす子どもたちの大きな変化

編集部: 「ハクシノレシピ」の利用者からは、どのような感想がありますか?

高橋: 「子どもを『自分で食っていける大人』にするために何をすればいいかわからなかったが、ハクシノレシピの料理レッスンで子どもの『地頭』や『チャレンジ精神』が鍛えられた」「子どものクリエイティブな思考が養われた」などの感想をいただいています。それから、とても「完璧主義」で「白紙にはお絵かきできない(上手に描けないかもしれないから)」というお子さんがおられたのですが、その子も半年ほどレッスンを受けた結果、「白紙に絵が描けるようになった!」と言っていました。また、どんどん「自信」が持てるようになったそうで、先ほどの「スープに生ハム」というメニューを考えたのも、実はこのお子さんです。最初は「『みそ汁』には、どんな具材が入っているの? その通りに作りたい」というような子だったのですが、今ではすっかり逆の発想ができるようになりました。