業務と照らし合わせることで「本当に必要」な機能を厳選
編集部:「はいチーズ!フォト」と「はいチーズ!システム」の開発経緯について教えてください。
西村:「ITで世の中を良くしたい」という思いで会社を設立した代表が、知り合いから「保育園のイベントで席取りが大変」と言う話を聞いて、保育業界に関心を持ったのがきっかけです。実際に、どんなところが大変なのか聞くと、いい席を取るために朝の5時から園の前で並ぶ必要があるのだとか。そこから、カメラマンを派遣して親御さんの代わりに撮影し、ネットで販売するのはどうかという着想を得ました。
編集部:その体験が「はいチーズ!フォト」につながるのですね。
西村:そうです。はじめは、カメラマンの手配で奔走しましたが、まわりの人や知り合いの経営者に助言を求め、現在のサービスを作り上げていきました。
編集部:「はいチーズ!システム」についてはいかがでしょうか?
西村:「はいチーズ!フォト」のサービスを通じて、多くの園と交流するようになると、保育士さんの大変さを知る機会が増えていきました。写真のサービスでは、親御さんはハッピーになりますが、実際に保育に向き合っている保育士さんの負担は軽減できていないので、それをどうにかできないだろうか?という思いから業務支援サービスの開発が始まったんです。
編集部:そんな経緯があったのですね。開発にあたって大切にされたポイントがあれば教えてください。
西村:網羅的に園の業務をサポートすることと、使いやすさです。似たようなシステムでは、「登園管理」や「日誌作成」など一部の機能のみに特化したものが多いのですが、私たちのサービスでは、園の業務全体に対して様々な機能を設けて対応しています。また「はいチーズ!システム」は保育士さんの状況を考慮し、パソコンで使うシステマティックなものは避け、スマホやタブレットで直感的に操作できるカラフルなアプリのようなデザインとなっています。
他にも、細かいところになりますが、複数の保育施設を管理している運営者のために、園ごとのパスワードやログインIDを作らず、一括で管理園全てにアクセスできるようなところにも気をつけています。
編集部:毎日使うものだからこそ、そういった細かな配慮はユーザにとって嬉しいものですね!
西村:機能追加についても、営業と保育士さんとの繋がりやシステム内にあるお問い合わせフォームを通じて、常にヒアリングや情報収集をしています。そのなかで注意している点としましては、「あれが必要」「これが必要」といった表面的な要望だけに囚われず、「その機能があれば、本当に根本的な問題解決になるのか?」ということを、業務内容を把握した上で明確にしてから進めるようにしています。