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子どもの体調データを共有し、みんなで子育てをする環境を作る「icuco」

弊社調べでは、過去に保育園に子どもを預けているママにアンケートを取った結果、252人中、「体調」が気になるという方が191人もおられました。こういった結果からも、保護者が子どもの体調をチェックできるサービスの必要性を感じています。


保育園を利用する保護者が最も気にしているのは「子どもの体調」

編集部:保育園に預けている間の子どもの体調を、保護者が確認できるわけですか? それは非常に珍しい機能ですね!

柳瀬:体温が一定基準以上になると、保育園側は保護者に電話してお迎えをお願いしなければなりません。このサービスがあれば、保護者もリアルタイムに子どもの体調がおかしいことがわかりますから、保育園から連絡が来る前に心づもりをして、仕事の調整をすることもできるでしょう。また、お迎えに行った時に熱が下がっていたとしても、体温のデータが残っていますから納得感があります。icucoは世の中に受け入れてもらうための入り口として保育園の「午睡チェック」という切り口を選びましたが、あくまでも「子どもの体調をみんなで共有できるシステム」というところを重視しています。


icucoの専用アプリでは、保護者も子どもの様子を確認できる

編集部:icucoのセンサーを子どもたちがつけるのは、午睡の時間だけでしょうか?

柳瀬:そうですね。現時点でicucoを使って欲しい対象は、0歳〜2歳までの睡眠時間が長く、しかも自分で体調の変化を訴えることができない子どもたちです。ただ、午睡チェックでの利用はあくまで入り口であり、将来的には子どもたちが常につけていられるものに改良していきたいと考えています。

編集部:2019年6月の保育博で拝見したセンサーから、2020年3月の本格的なリリースに向けてデザインが新しくなったそうですが。

柳瀬:保育博の時点は実証試験段階でしたが、現在のセンサーはより薄く、取り付けやすい形状に改良しています。たとえば乳幼児の首は短く、胸元に取り付けるセンサーが当たりやすいため、厚みを薄くして気にならないようにしました。他にも小さな部品を子どもが飲み込んだりしないよう、取り付け用クリップをセンサーと一体化した形状に変更しました。


新しいデザインになったセンサー

編集部:SIDS(乳幼児突然死症候群)については、現在も相当な数が発生していますから、やはりこのような「見守りサービス」は欠かせませんね。

柳瀬:ここ数年の国内におけるSIDSによる死亡者数は、およそ100名前後で推移しています。ただ、SIDSは保育園でだけ起こっているわけではなく、一般家庭でも起きていますから、このようなサービスは家庭でこそ使って欲しいと考えています。しかし、現在まで使われてこなかったのは、センサー類の価格が高かったことと、SIDSの危険に関する知識が保護者に無かったからだと思います。たとえば子どもたちの中にはSIDSになりやすい、呼吸が浅い子どももいるのですが、なかなか親にはそれに気づく方法がありません。icucoを家庭で使ってもらえれば、そのデータを分析し、保護者に注意を喚起することもできるでしょう。将来的には、そんな健康に対する示唆・予測を提供したいと考えています。