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子育てハック発見プロジェクト ~みんなでクロスレビュー~ 第2回 「かみなしばい」

本記事のポイント
  • 2台のデバイスを使うことから、「親子で一緒に楽しめる」という項目は満点評価!
  • レビュアーからは「もっとたくさんの作品が欲しい・読みたい」という熱い要望が!
  • 使っているうちにさまざまな用途やアイデアが浮かぶ、極めてユニークなアプリ!

0~6歳児を持つパパ・ママ、これから出産を控えているプレパパ・プレママの中で、ガジェットやアプリ、家電などのテクノロジーを積極的に子育てに活用したい方たちが参加するBabyTechコミュニティでは、毎月「子育てハック発見プロジェクト ~みんなでクロスレビュー~」を開催しています。

このプロジェクトは子育てを楽しむための「子育てハック」を見つけることをめざし、コミュニティ会員がさまざまなベビーテック・サービスの体験談を共有していくもの。毎回ひとつのベビーテック・サービスを実際に使ってみた会員が、そのサービスについてのレビューを特設サイトに投稿。その後、オンライン座談会で感想や使い方を共有し、その内容をBabyTech.jpのレビュー記事として発表していきます。

みんなでクロスレビュー第2回に取り上げられたのは、「かみなしばい」。昔懐かしい紙芝居をアプリにしたもので、物語の読み手側と聞き手側がbluetoothで接続されたそれぞれ別のデバイスを使う点が特徴です。さらに紙ではなくアプリだからこそ可能な仕掛けや、2つのデバイスを使う同アプリならではのユニークな作品を楽しむことができます(詳細は本アプリの紹介記事を参照ください)。そんな同アプリは「BabyTech® Award Japan 2021学びと遊び部門」で大賞を受賞しています。

このかみなしばいを実際に利用したコミュニティ会員が、サービスの楽しさなどさまざまな面からレビューを実施しました(数値による評価は最低1〜最高5の5段階評価)。さらにオンライン座談会(以下、クロスレビュー・トーク)にはパパスマイル代表取締役の永田哲也とコミュニティ運営の斎藤哲、コミュニティメンバーのだいすけさん(以下、敬称略)が参加しました。今回の記事はそれらをまとめたものになります。

クロスレビュー・トーク参加者

BabyTechコミュニティ会員
だいすけさん

BabyTechコミュニティ運営
斎藤哲

株式会社パパスマイル
代表取締役 永田哲也

それぞれがデバイスを持つことにより、「親子で楽しめる度」は満点評価に!

親子で楽しめる度

レビュアーレビュー点数コメント
だいすけさん5二つのデバイスを利用するということに初めて感覚でありました。子どもも親に邪魔されずにデバイスを持てる嬉しさがあるようです。同じ時間に同じことをすること。これ自体が僕としてはありがたい時間でした。
Sachiさん5デバイスが2機必要で、親にも子どもにも大事な役割があるので、一緒に楽しめました。

永田:本日はお忙しいところ、大変ありがとうございます。さっそくクロスレビュー・トークを始めたいと思います。第1回に比べてレビュー数が少なくなってしまいましたが、これは本アプリがiOSのみ対応のためAndroidユーザーが参加できなかったことなどが理由のようです。

さて、まず「親子で楽しめる度」については、レビュアーの方はいずれも満点の5をつけました。

斎藤:やはり「自分で絵を動かすことができる」というのは、みんな楽しんでいるようですね。

永田:このアプリは紙芝居のように親だけが読んで操作するのではなく、子どもの方でもさまざまな形で参加しなければお話が進まないという点が評価につながっているのではないでしょうか。子どもたちは「桃太郎」であれば桃太郎にご飯を食べさせたり、「大きなカブ」であればカブを引っ張ったりします。つまり「読み手」と「聞き手」の双方に役割があり、それぞれ楽しめるというイメージですね。

操作性については「子どもがデバイスを使う」ことに伴う工夫が必要な側面も?

操作性

レビュアーレビュー点数コメント
だいすけさん4
Sachiさん4途中で画面が止まってしまったことがありました。止まってしまった時にすぐに元に戻れると良いのですが、戻れないとそこでワクワク感が中断されてしまうので、「ゆっくり操作してください」などの注意が最初にあると良いなと思いました。

永田:操作性については、「途中で画面が止まってしまった」というコメントがありました。本アプリでは2台のデバイスを使っているわけですが、片方のデバイスでパパッと操作すると画面がパパッと先に進みすぎてしまい、戻れなくなった……ということだそうです。

斎藤:親の側は適切な速さで操作するよう意識できると思うのですが、どうしても小さな子どもたちにはそのような加減が難しいところはあります。アプリ側で操作性に余裕を持たせるといいかもしれません。

永田:画面に「いまだ!」みたいな表示を出すなど、適切な操作タイミングを伝える方法もありますね。私もいくつか子ども向けのインタラクティブなアプリを作ってきましたが、画面を連打されたくない時に「待ってね!」という表示を出しても子どもは待ってくれません。そこで100メートル走のスタート前などに使われる「よーい……(ドン!)」という表示を出すと、ちゃんと待ってくれるというノウハウがありました。

レビュアーから「もっと作品が欲しい・読みたい」という熱い要望が!

継続性

レビュアーレビュー点数コメント
だいすけさん4物語が増えて選択肢・選びシロが増えてくれば、継続性はあるかと思われます。親が選ぶというよりかは子どもが選ぶ→親が読むという流れになれば、本棚から本を選ぶ感覚と似るのではないかなと思いました。
Sachiさん3違うお話はやりたがるので、お話が定期的に増えていったり、同じお話でもやるたびに違う選択ができるような趣向があると、何度もやりたくなるかなと思いました。

永田:こちらは子どもたちが継続して本アプリをやりたいと言ってくれそうですか、という設問でした。コメントに共通しているのは、「お話の本数を増やして欲しい」ということです。ただ、コンテンツとシステムの制作・運用をすべてアプリ開発会社の方がお一人でされており、しかも一つ一つの作品の完成度を非常に高めておられるので難しいところだと思います。

ただ、今回のレビューは全体的に評価点が高く、コメントも長文なものが多い印象がありました。皆さんの期待の高さを感じますし、いろいろなアイデアもたくさん寄せられています。コンテンツの制作をオープンにするなどの展開をされても良いのかもしれませんね。

斎藤:2台のデバイスをインタラクティブに使うという経験はあまり無いと思います。そういう点から、皆さんがさまざまな可能性を感じているのだと思います。いろいろなアイデアも自然と広がりますね。

永田:たしかに! 初めて対戦型ゲーム機で遊んだ時にも感動しましたが、双方向のリアルタイムな反応を絵本アプリで味わうのは、皆さんにとって新鮮だったと思います。

誰もが「かわいい!」と好感を持つ洗練されたデザイン

デザイン性

レビュアーレビュー点数コメント
だいすけさん4可愛らしかったです。
Sachiさん5イラストが可愛いです!!

永田:本アプリの「デザイン」については「かわいい!」ということでレビュアーの皆様は一致していました。非常に好感を持たれる絵柄である、ということではないでしょうか。

「知育系コンテンツ」の充実と「読み放題チケット導入」が求められている

気軽さ

レビュアーレビュー点数コメント
だいすけさん4絵本というものに絞ってあるが、個人的には絵本以外のものも一緒に楽しめるツールとなってもらえると非常にありがたい。例えば、学習ツールみたいなものに…数の数え方とか時計の読み方なんかがあっても…
Sachiさん4チケットが必要なので、「4」にしました。最初に10チケットプレゼントされるのは嬉しいです!

永田:この設問は本アプリを子どもにやってほしいと言われた時、保護者が気軽に始められるかというものです。「学習ツール系」の作品もあればより積極的に親として取り組めるというコメントと、コンテンツの使用に課金チケットが必要である点についてのコメントがありました。ただ、このアプリの制作・運用の労力を考えると無料開放は難しいと思います。まずは、読み放題チケットの導入などが現実的な解決策ではないでしょうか。

「遠距離親子コミュニケーションツール」や「子どもが読み手に」という可能性も!

かみなしばいを楽しむことで、親子で何か気づいた事などありましたら教えて下さい

レビュアーコメント
だいすけさん個人的には家にいる時に出来る子どもとの繋がりという点では「かみなしばい」は素晴らしいと思いました。ですが、家にいる時間が短い私としては家にいない時でも子どもと繋がれるような使用になっていると非常にありがたいなと思うのです。今回はBluetoothで繋げてますが、今後それ以外でも繋がり、近くにいなくても繋がれるようなものになればもっといいなと感じます。
Sachiさん子どもはどんどん先にやりたがるので、子どものペースに合わせて話すスピードを変えながら取り組むのも楽しかったです。3回目にやった時には、子どもが「読む」役割をやりたがり、字を読むのがまだあまりできない次男は、自分で創作していました。

永田:まず、「Bluetoothだけでなく、Wi-Fiなどを使って遠隔地からでも繋がれたらいいな」というコメントがありました。これはだいすけさんのコメントですね。

だいすけ:はい。私は家にいないことが多いので、そういうコメントをさせていただきました。かみなしばいは私が家にいて、子どもと過ごす時間を有意義なものにする上でとても役立ってくれました。ですから、仕事で泊まり込みの時や出張の時などにも子どもと繋がりを持てるツールになれば、パパとしてうれしいです。

永田:それは利用されるシチュエーションが目に浮かびますね! 続いて、「かみなしばいを使って子どもが読む役割をしたがりました」というコメントもありました。物語の読み手側になる、つまり舞台裏を知ることは子どもにとって大きな刺激になりそうです。「今度はパパが鬼退治をするよ」というやり取りなども、非常に良い親子のコミュニケーションになるのではないでしょうか。

かみなしばい「パパのせなか」を楽しむ時のイメージ

「2台のデバイスを使う」という特徴から、さらにユニークなコンテンツが生まれる?

今後のかみなしばいに期待している事を教えて下さい

レビュアーコメント
だいすけさん今後一層お話の幅が増えることがあれば、読みごたえがあるのかなと思いました。
Sachiさんお話がもっと増えたり、親子でオリジナルの話を作れてしまったりする機能などもあったら面白いな〜と思いました!

永田:今後のかみなしばいに期待することですが、やはり「お話をもっと増やしてほしい!」というのがレビュアーに共通する気持ちのようですね。裏を返せば、ひとつひとつの作品のクオリティが高いために、利用者が「もっと読みたい!」という気持ちになっているということだと思います。ぜひ投資家からのシステムへの投資や出版社などとの協力関係を期待したいですね。また、だいすけさんのコメントにあった「時間について学ぶ」コンテンツなど、かみなしばいならパパのお腹にデバイスを当てて「腹時計を見てみよう!」「パパ、お腹すいちゃったの?」といったユニークなものができるのではないでしょうか。

斎藤:私の子どもが大きくなってから教えてくれたのですが、子どもたちはこういったインタラクティブなアプリを見ると、もっとゲーム性が欲しいと思うようです。キャラクターを動かすと得点が入るような仕掛けですね。

永田:お話がランダムに変化すると、子どもを飽きさせないかもしれませんね。また、レビュアーのコメントとして「物語が分岐したら面白いかも」というものもありました。そうなるともう、アドベンチャーゲームというジャンルになってしまいますが……。

斎藤:だいすけさんの「学習系のコンテンツを……」というコメントを見たとき、かみなしばいを図鑑にするアイデアが浮かびました。たとえば花のタネを植えて、それが咲いて枯れるまでをタイムラプス動画にして、その再生速度を制御しながら見ることができるコンテンツを取り入れれば、読み手側が動画を先に進めたり、後ろに戻ったりしながら解説することができそうです。そうなるともう「紙芝居」ではありませんが、そういうアイデアがどんどん出てくる伸びしろのあるアプリだと思います。

永田:私たちも今後のかみなしばいの展開をワクワクしながら待ちたいと思います。本日は大変ありがとうございました。最後にお知らせですが、2022年7月中旬まで東京都板橋区にあるセブンタウン小豆沢のアカチャンホンポ セブンタウン小豆沢店に常設されているベビーテック体験コーナーにて、「かみなしばい」を体験することができます。非常に魅力あるアプリですので、ぜひ一度多くの皆さんに触れてみていただきたいですね。

本記事の関連リンク

かみなしばい(https://kaminashibai.unouplus.com/

BabyTech コミュニティ(https://babytech.jp/community/

アカチャンホンポ セブンタウン小豆沢店(https://stores.akachan.jp/188