BTA2024受賞商品発表

アカチャンホンポで気軽にベビーテック製品が買える時代も近い!? 株式会社赤ちゃん本舗・代表取締役社長 味志謙司さんと株式会社パパスマイル・代表取締役 永田哲也が対談

2021年12月1日〜12月2日、東京都立産業貿易センター浜松町館にて、国内の優れたベビーテック製品・サービスを表彰する「BabyTech® Award Japan 2021(以下、BTAJ2021)」の授賞式、および受賞商品の展示が行われます。これに先立ち、「BTAJ2021」のプラチナスポンサーである株式会社赤ちゃん本舗(以下、赤ちゃん本舗)代表取締役社長の味志謙司(以下、味志)さんと、「BTAJ2021」を主催する株式会社パパスマイル代表取締役の永田哲也(以下、永田)が対談を行いました。赤ちゃん本舗がベビーテックに取り組まれた経緯や「BTAJ2021」に期待すること、今後の展望などを伺いました。

(対談者)

株式会社赤ちゃん本舗 代表取締役社長
味志 謙司さん

株式会社パパスマイル 代表取締役
永田 哲也

国内における急速なベビーテックの進歩のペースに驚き

永田:本日はお忙しいところありがとうございます。まずは改めて、ベビーテックを知ったきっかけを教えていただけますか?

味志:ベビーテックというキーワードが初めて出てきたのは、2016年のCES(編集部注:例年アメリカ・ラスベガスで開催される世界最大級のエレクトロニクス製品展示会)だったと思います。そこから社内で情報収集を始めました。続いて2019年11月に百貨店で開催されたベビーテック展示イベントで、永田さんにお会いしたという流れになります。

永田:そのご縁から2021年6月10日(木)~7月9日には、御社と大日本印刷様、当社の3社協業で「BabyTech TOUCH」というイベントを開催することができました。五反田にあるアカチャンホンポ TOC店を使わせていただき、私たちがベビーテックに取り組み始めた頃からは考えられないほど、広く皆様に知っていただく機会となりました。

味志:わずか2年でベビーテックがここまで来たというのは、感慨深いものがあります。初めてお会いした2019年頃はベビーテック製品と呼べるものはそれほどなかったのに、現在はさまざまなメーカーから多様な製品・サービスが登場しています。本当に進歩の早い分野ではないでしょうか。

永田:昨年末頃に、NHKのニュース番組で「2021年はベビーテック元年」と紹介していただきました。新型コロナの影響もあるのかもしれませんが、テクノロジーを活用して遠隔で子供を見守る、オンラインで知育する、子育ての思い出や体調を記録するといったニーズが一気に顕在化し、ベビーテックの進歩を後押しした印象があります。

ベビーテックのイベントで感じた「育児の未来」に向けての大きな手応え

永田:さて、今年の9月に御社がBTAJ2021のプラチナスポンサーになられたことを発表したところ、各方面から非常に大きな反響がありました。たとえば、いよいよベビーテックは一般の消費者に浸透するフェーズになったのですね、ということを大手マスコミの方からも言われるなど注目をいただきました。

味志:ベビーテックについて今後どれほどマーケットの広がりがあるのか、子育てのさまざまな場面にどのようにお役に立てるのかということは、まだまだ先が見えていないところもあります。しかし、非常に可能性はあると考えています。先ほどの「BabyTech TOUCH」では、私も店頭に立たせていただきましたが、いろいろな方から大きな反応をいただきました。一般の消費者の方からの「こういう製品が発売されるのですね!」というものだけでなく、B to Bでベビーテックの活用を考えておられる企業の方や、まさにベビーテックを開発されているメーカーの方との接点を持つことができたのです。当社にとって、これは非常に大きなインパクトがありました。これから誕生するさまざまなベビーテックをどうやってお客様にお届けするか、そのヒントであり、チャンスとなったイベントだったと思います。

永田:私たちが思いもよらない分野から、ベビーテックの製品・サービスが登場する可能性もありますね。味志さんとしてはどのような商品に注目、または期待されていますか?

味志:子育て中のパパ・ママは、毎日大変な思いをされています。一方で赤ちゃんは本当にかわいいですし、楽しい時間もたくさんあります。当社で私が強く訴えているのが、「もっと赤ちゃんの暮らしを知り尽くせば、お客様が気づいていない困りごとや暮らしに対する提案やサポートができるのではないか?」ということです。そこにベビーテックを活用する余地があります。今まで人間の手や目を使わざるを得なかったことが、センサーや画像、音声などでサポートできれば、パパ・ママの苦労を少しでも減らし、楽しい時間を増やすことができるでしょう。それがベビーテック製品・サービスに期待していることです。

たとえば、先日は社内の「赤ちゃん用寝具の仕入れ担当者」に次のような話をしました。そもそも、なぜ赤ちゃん用の寝具がいるのか? それは赤ちゃんが良い睡眠を取るためであり、それなら寝具の売り方だけでなく、もっと赤ちゃんの睡眠について私たちは勉強するべきではないか? 赤ちゃんの睡眠について、パパ・ママはどんなことに悩んでいるのか? 肌触りの良い、温かい布団が欲しいというニーズはもちろんあるけれども、もっと深く、寝かしつけが大変とか夜中に起きてしまうとか、そういった問題も知った上で、どういう提案ができるのか考えて欲しい。赤ちゃんの睡眠についての課題をサポートする製品を開発しているメーカーもあるかもしれないので、もっと調べていこう。そうすることで当社は赤ちゃんの睡眠に対して、より貢献できるのではないか、と言ったのです。おそらくベビーテックの登場により、今まで考えられなかったような睡眠をサポートしたり、楽しくしたりする製品・サービスも登場するのではないでしょうか。

永田:たしかに、太陽光に似せた光を出すランプで睡眠リズムを整える商品、子供が一人で眠るトレーニングをしてくれるスマホアプリも登場しています。さらに、これから睡眠時のさまざまなデータが蓄積されることにより、今まで知られていなかった「赤ちゃんの睡眠の真実」のようなものも発見されるかもしれません。私たちもベビーテック専門メディアとして、さらにパパ・ママをサポートできるような情報を伝えていきたいと思います。

BTAJ2021では、多くの開発メーカーとの出会いに期待

永田:続いて、今回BTAJ2021のプラチナスポンサーになられた理由について伺えますか?

味志:私は今年の3月から代表取締役社長に就任したのですが、その際の経営方針の中に、今後はより新しい製品やサービスに取り組んでいくことを掲げました。その一つが、このベビーテックという領域だったわけです。ですから、この分野で情報収集や具体的な取り組みをスタートさせることは、年初から考えていました。その上で6月に「BabyTech TOUCH」というイベントを開催するという段階を踏むことができたので、当社の役員会議でも満場一致でBTAJ2021のプラチナスポンサーをさせていただくことが決まりました。

これはまさに、当社がベビーテック分野に取り組んでいくことの意思表明になると考えています。また最新のベビーテック製品・サービスがこのイベントに集まるということで、開発メーカーとの接点やくわしい情報が得られること、いち早く流通経路に乗せ、子育てをされている一般のご家庭にお届けしたいと強く願っています。

永田:御社からスポンサー就任のご連絡をいただいたときは、本当にうれしかったです。私たちがベビーテックに取り組み出したばかりの4年前は、当社のサイトも海外事例ばかり紹介していましたが、こうして振り返ると素晴らしいタイミングで御社や大日本印刷様とご縁が繋がり、少しずつベビーテックが日本に普及し始めた実感があります。ベビーテックに携わる企業の皆様には、自分たちの取り組みが認められつつあること、お客様に届けるための道筋が明確に見えてきたことを知っていただきたいですね。

「アカチャンホンポ賞」はベビーテックについて考えるための全社的な取り組み

永田:さて、12月1日にBTAJ2021の授賞式が行われ、製品の展示会も行われます。今回は「アカチャンホンポ賞」という特別賞が用意されており、これは御社の従業員の皆さんの投票で決まると伺っております。

味志:この賞を設けるにあたっては、対外的な宣伝よりも社内に対する効果を狙いました。当社はベビーテックに取り組むと言っていますが、まだまだ社員にベビーテックがどういうものか浸透していない面があります。今回は非常に良い機会ですので、全員でベビーテックの優れた製品・サービスを学び、それらがお客様に喜んでいただけるかどうか、赤ちゃんの暮らしのお役に立ち、楽しいものにしてくれるだろうかといったことを思い描く時間にしたいと考えています。このような時間を持つことが、これからベビーテックを取り扱っていく実感につながると思っています。各店舗を含めた全従業員による投票制を取り、その順位からアカチャンホンポ賞を決めることで準備を進めています。

永田:どの会社の製品・サービスが受賞するのか、非常に楽しみです。BTAJ2021における大賞・優秀賞は数名の有識者の皆様に選んでいただくため、一票差で決まるような厳しい面があります。ただ、受賞された企業の約半数はその後に新たな資金調達や業務提携を達成されるなど発展的な展開をされているので、多くの企業の方の励みにもなり、投資家や企業の皆様にも一定の評価をいただけていると感じています。今回のアカチャンホンポ賞も従業員の皆様の生の声が反映されるということで、非常に栄誉ある賞になるのではないかと思います。

味志:当社の社員は日々、店舗にいらっしゃるまさに子育てをしている方から、さまざまな悩みを伺っています。そんな一般の子育て家庭に非常に近いところにいる、彼ら・彼女らから見てどういう製品・サービスが良いのか可視化されることは大変興味深く、私自身も楽しみにしています。

全国に展開する店舗とECサイトという接点で、ベビーテックを紹介していく

永田:では最後に、御社のベビーテックに対する取り組みの将来展望について伺えますか?

味志:直近の展開としては、BTAJ2021の取り組みの一環として10月15日にリニューアルしたセブンタウン小豆沢店(東京都板橋区)に、当社初の常設のベビーテックコーナーを設けました。まだ1店舗での展開であり、販売に至らない製品・サービスもありますが、まずはいつでもベビーテックに触れていただける場所を提供できるのを非常に楽しみにしています。やはり当社の強みは全国に展開する店舗とECサイトを持っていることですので、それらの接点でお客様に製品・サービスをご紹介していくような形をどんどん進めていきたいと考えております。

当社は「スマイルな育児を。アカチャンホンポ」というコーポレートメッセージを掲げており、その実現のためには子育ての大変な作業や時間が少しでもラクに、効率的になるようサポートしていくことが大切です。そこから気持ちの余裕、時間的な余裕が生まれれば、それを赤ちゃんとの楽しい時間、育む時間に使っていただけるでしょう。ベビーテックを活用することでより一層子育てをサポートし、今後もますますパパ・ママのお役に立つことを目指したいと考えております。

永田:セブンタウン小豆沢店のベビーテックコーナーを多くの方に見ていただき、これからの育児についてイメージできる場所になることを願っております。本日はありがとうございました!

ベビーテック体験ショールーミングイベント「BabyTech TOUCH」を開催

https://chirashi.akachan.jp/babytechtouch/

株式会社赤ちゃん本舗 公式ホームページ

https://www.akachan.jp/

(終わり)
記者:関和幸