科学技術や理数系のSTEM領域を学習し、社会的な能力を高めることを目的にオープンしたSTEM&プログラミングスクール「STELABO(以下、ステラボ)」。レポート第2弾となる今回は小学2~3年生を対象にした物理、工学、プログラミングを学ぶ「アドバンスクラス」の様子を紹介します。
(お話を伺ったのは)
SB C&S株式会社 新規事業本部 IoT事業推進本部 STEM事業推進室 西村 紘明さん
物事の仕組みや原理を知ることで子どもたちの好奇心と視野がもっと広がる
編集部:前回の「ベーシッククラス」と今回の「アドバンスクラス」の違いについて教えてください。
西村:「ベーシッククラス」と同じようにブロックを使ってレッスンを行っていきますが、大きな違いは「アドバンスクラス」では電気系のパーツを使うこと。電気によって動く動力を組み合わせながら、より発展的な課題を解決していくカリキュラムになっています。「アドバンスクラス」は小学2~3年生が対象で全40回のレッスンのうち、教材用ブロックを使ったレッスンが約6割、プログラミングのレッスンが約4割でカリキュラムが構成されています。
編集部:今日のクラスで子どもたちが作っていたブロックにはどのような学びの要素が盛り込まれていたのでしょうか。
西村:今日は滑車を使ってロープを昇り降りする「ジップライン」から、滑車の原理や、摩擦などの要素を踏まえて、どうやってモーターの動力が伝わるのかを考えてもらいました。通常はひとつの要素を1時間で学んでいくのですが、今回は過去に習った要素が複合的に盛り込まれた、まとめの回ということもあり、やや難易度は高かったかもしれませんね。
編集部:全40回のうち、約半分のレッスンを行ってきたそうですが、子どもたちの成長を感じるのはどんな時ですか。
西村:レッスンの中で、以前習った知識をブロックづくりに活かしてくれていると、教える立場としてうれしいですよね。ですから、どうすれば子どもたちに気づきを与えてあげられるか、日々考えるようにしています。これからも集中力が途切れることなく子どもたちが授業に取り組めるよう私自身もしっかり子どもたちと向き合っていきたいですね。
編集部:数あるプログラミング教室の中から「ステラボ」を選んだ大きな決め手は「プログラミングだけでなく、ものの仕組みを基本的なところから教えてくれるから」といった好意的な意見が保護者の方からも聞かれました。
西村:公園にあるブランコひとつをとっても、子どもたちにとって、楽しい遊具というものの見方だけではなく、振り子の原理を知っていれば、ブランコには振り子の原理が働いていると、気づくことができます。基本的な仕組みを知っていることで世の中にある物への見る目が変わり、興味も広がっていくと思います。レッスンの最後には自分の作品について、どこを工夫したのか、どんなところに苦労したか、といった自分なりの意見を発表する時間を設けています。こうした取り組みはとても重要で、子どもたちの新たな発見や気づきにつながります。他の子どもたちの意見をこれからの作品づくりに活かしていくだけでなく、自分以外の人に対して発信する力も培ってもらいたいですね。
編集部:保護者の方から授業についてどんなリクエストが寄せられていますか。
西村:特定のテーマについて子どもに教えてほしいといった声はないのですが、子どもたちの協調性を気にされているようですね。協調性を身につけるためにグループワークにも取り組んでほしいといったご要望を頂戴しています。
編集部:カリキュラムの途中からでもレッスンに参加することはできますか。第1回から受けていないと、ついていけないのでは。
西村:レッスンでは物事の仕組みや原理をひとつひとつ学んでいきます。基本的には、1回のレッスンでひとつのテーマが完結する形をとっていますから、途中から始めても問題ありません。習っていないところについては、まとめのレッスンの回で補足できるようになっているのでご安心ください。「STEM」に少しでも興味があるようでしたら、お気軽に無料体験会に参加していただければと思います。
創造力+応用力も試される「アドバンスクラス」に潜入!
取材時に行われていたのは18回目の「アドバンスクラス」のレッスン。この日は5名の子どもたちが一生懸命に課題に取り組んでいました。
今回のミッションは摩擦の力とモーターの力でひもを伝い、下から上に動く「さかさまジップライン」を作ること。過去のレッスンで習った摩擦について、みんなちゃんと覚えているかな?
西村さんのお手本を参考に電気系のパーツを使いながら、教材用ブロックの組み立てがスタート!電池の配列も成功を左右する大きなポイントです。
組み立てが完了したら、早速ジップラインが下から上に昇っていくかトライ!うまくいかなかったら何度でもチャレンジ!
ミッションをクリアに向けて、はやる気持ちを抑えつつ、自分の番がくるまでガマン、ガマン。子どもたちのまなざしから熱意が伝わってきます。
ミッションクリア!電池の配列や滑車の大きさなど試行錯誤を重ねたからこそ、子どもたちの喜びもひとしお。次回はプログラミングとロボティクスに特化した「プロロボ1stステージ」のレッスンに潜入します。
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