林:子どもたちは、これからいくらでもプログラミングの教材に触れることができます。私たちは小学校低学年から中学年の時期は、できるだけたくさんの物に触れ、手を動かすことでさまざまな仕組みを理解してもらいたいと考えています。プログラミングは決められた指示どおりに何かを動かすシステムです。創意工夫を凝らすにしても、かなり上のレベルに達していなければ、それも難しいでしょう。だからこそ、プログラミングの授業だけでなく、子どもたちの創造性を磨き、活かしていくためにもブロックを使って「作って学ぶ」ことが大切だと考えています。
編集部:子どもたちを指導する際に心がけていることはありますか。
林:クラスでは滑車や天秤など、毎回テーマに沿ってブロックを組み立てるのですが、「お手本のとおりに作ってください」とはけっして言わないようにしています。完成品をお手本として子どもたちに見せますが、私たちはお手本と同じように作り上げることが重要だとは考えていません。むしろ、お手本の通りに作ってほしくありません。たとえ上手に出来なくても、全然違うものが出来たとしても、子どもたちの創造力を尊重して、自由に作ってもらいます。
編集部:子どもたちにかける言葉にも気を配っているようですね。
林:失敗してもいいからとにかく手を動かしてみようと、前向きな言葉をかけるようにしています。私たち大人が子どもたちを否定することなく、良いところを伸ばしてあげることで失敗を恐れない積極的な人間になってもらえたらうれしいですね。
作って学びながら創造性を育む「ベーシッククラス」に潜入!
取材時に行われていたのは「ベーシッククラス」の10回目となるレッスン。「じてん車をうごかしてみよう」というテーマで教材用ブロックを使って押す、引くといった力の伝達を学んでいきます。林さんいわく、これまでのレッスンよりも、ちょっぴり難しいテーマとのこと。この日は6人の子どもたちが参加していました。
まずは、自転車が動く仕組みをクイズ形式で出題し、子どもたち一人ひとりに、身近にあるモノが動く仕組みを紹介。
完成品のサンプル。ただし、このとおりに作らなくてもオッケー!クラスでは手のひらサイズの自転車を子どもたちがデザイナーとなって一人一台ずつ組み立てていきます。
お手本を参考にどんなパーツを使って組み立てられているのか、しっかり観察。うまく組み立てられるかな?