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保育士さんの負担をITで軽減!写真サービスとの併用で、無料で使える「はいチーズ!システム」

本サービスのポイント
  • 「はいチーズ!フォト」を同時に契約すると、保育士の業務を効率化する「はいチーズ!システム」を無料で利用することができる(※1)
  • 「はいチーズ!フォト」は、園で撮影した写真を保護者がインターネットで購入できるシステム
  • 使える機能は30種類以上。細かいところまで配慮された「はいチーズ!システム」

ITで育児をサポートする商品やサービスを広く集め表彰する、BabyTech® Award Japan。2021年の「保育ICT 部門」で、みごと優秀賞に輝いたのは「『はいチーズ!』をはじめとするSaaS型の総合保育テックサービス」です。これは、保育施設向け写真販売サービス「はいチーズ!フォト」と同時に導入することで、勤怠管理、保護連絡等といった保育業務の支援ツール「はいチーズ!システム」を無料で提供するというもの(※2)。そこで今回は、サービスを展開する千株式会社の西村美保さんに、アプリ内容やサービス提供の経緯、今後のビジョンについてお話をうかがいました。
(※1)お申込みには条件があります
(※2)写真販売サービスの契約をしていない場合でも、「はいチーズ!システム」のみを利用することもできます。ただし、その場合はシステムの利用料がかかります

(お話を伺ったのは)

千株式会社
はいチーズ!事業部 営業部
西村美保(にしむら・みほ)さん

30種類以上の業務支援機能が無料で利用できる「はいチーズ!システム」

編集部:本日はよろしくお願い致します。まずは、「はいチーズ!システム」のサービス概要について、教えていただけますでしょうか?

西村:よろしくお願い致します。「はいチーズ!システム」は一言でいえば、円の業務効率化ツール。勤怠管理や保護者への連絡にかかる保育士さんの負担を、IT化によって、大幅に減らすことができるものです。

特徴的なのが、そのサービスを無料で提供している点ですね。千株式会社では、「はいチーズ!システム」以外にも、「はいチーズ!フォト」というインターネットでの写真販売サービスを提供しております。その契約者の方は、「はいチーズ!システム」を無料でご利用いただけるようにしております。

編集部:無料というのは、すごいですね!一般的には、こういったシステムは高額であるため、補助金を使って導入する園も多いのではないかと思います。

西村:そうですね。よく「0円で大丈夫なの?」というお声をいただきますが、写真サービスの方が業界トップシェアをいただいており、そこでしっかりとした業務基盤が確立されているので、現在のような形でご利用いただけています。

全国の多くの園で導入されている「はいチーズ!フォト」

編集部:なるほど。BabyTech® Award Japan 2021でも、審査員からこれだけ、様々な保育支援ツールが無料で使えるところが素晴らしい、という評価がありましたね。

西村:システムを導入しようとしても、自治体によって補助金が打ち切りになっているケースや、金額面で足踏みしてしまうことも多いんですね。このような地域差や予算の問題を、無料提供することで解決できたら、という思いからこのサービスを始めました。実際に私たちの「はいチーズ!システム」を導入された園では、お話をうかがった限り、9割以上の先生が「業務時間の短縮につながった」とその効果を実感されています。

「はいチーズ!フォト」を契約することで、「はいチーズ!システム」を無料で利用できる

編集部:保育園や幼稚園の保育士さんの働き方に関しまして、激務なイメージがあるのですが、やはりとてもお忙しいのでしょうか?

西村:保育士さんの仕事は、私たちが想像する以上に大変です。例えば、園児の登校管理、保護者への連絡、子どもたちの午睡や睡眠の記録作成、年間の指導計画、保育日誌の作成など、子どもと接する時間以外にも様々な業務があり、こういった仕事は空き時間にやらなくてはなりません。といっても、仕事中はなかなか時間を作ることが難しく、なかには家で作業をされている方もいらっしゃると聞きます。そして、その多くが手書きでの書類作成であるため、さらに時間がかかってしまうのが現状です。

編集部:ほぼ手書きというのは、大変そうですね。アナログ故の書き間違いなども起こりそうです。

西村:実際にこういった業務に割く時間がなく、正社員を諦めて、パートとして保育士をされている方も多いです。

仕事量の多さが退職理由の半分以上をしめる保育業界

編集部:「はいチーズ!システム」では、どのようにして保育士さんの仕事をサポートしているのでしょうか?

西村:30種類以上に及ぶ機能が用意されており、書類作成や連絡業務などを簡略化することができます。ボタン一つで登園管理ができ、必要事項を打ち込むだけで日誌が作成できるイメージですね。結果、書類作成にかかる時間を大幅に減らすことができました。

書類作成の時間を大幅に削減

編集部:それは、とても便利ですね。保育士さんからの反応について教えてください。

西村:「書類関係の業務時間が大幅に減って、お子様に関わる時間が増えました」というお声をたくさんいただいています。また、「職員同士が会議をする時間が取りやすくなった」というお話も聞きますね。

編集部:書類作成の業務が減り、本来の仕事に集中しやすくなったのですね。写真販売サービス「はいチーズ!フォト」についても教えていただけますか?

西村:園で過ごしている子どもたちの写真を、親御さんにインターネット上でご購入いただくサービスです。撮影はカメラマンが撮る「カメラマン派遣プラン」と、先生が撮影する「先生撮影プラン」の2つがあります。撮った写真は、インターネット上から確認・購入することができる仕組みになっています。写真データのセキュリティも万全ですし、撮影や販売に関して、困りごとが合った場合のサポートもしっかりしております。

カメラマン派遣プランと先生撮影プランがある

編集部:子どもの成長が気になるご両親にとって嬉しいサービスですね!

西村:家では見せない表情と言いますか、先生や友達と一緒だからこその表情や笑顔が多く、たくさんの方からご好評いただいています。

普段なかなか見られない子どもの表情を写真で見られるところも魅力!

業務と照らし合わせることで「本当に必要」な機能を厳選

編集部:「はいチーズ!フォト」と「はいチーズ!システム」の開発経緯について教えてください。

西村:「ITで世の中を良くしたい」という思いで会社を設立した代表が、知り合いから「保育園のイベントで席取りが大変」と言う話を聞いて、保育業界に関心を持ったのがきっかけです。実際に、どんなところが大変なのか聞くと、いい席を取るために朝の5時から園の前で並ぶ必要があるのだとか。そこから、カメラマンを派遣して親御さんの代わりに撮影し、ネットで販売するのはどうかという着想を得ました。

編集部:その体験が「はいチーズ!フォト」につながるのですね。

西村:そうです。はじめは、カメラマンの手配で奔走しましたが、まわりの人や知り合いの経営者に助言を求め、現在のサービスを作り上げていきました。

編集部:「はいチーズ!システム」についてはいかがでしょうか?

西村:「はいチーズ!フォト」のサービスを通じて、多くの園と交流するようになると、保育士さんの大変さを知る機会が増えていきました。写真のサービスでは、親御さんはハッピーになりますが、実際に保育に向き合っている保育士さんの負担は軽減できていないので、それをどうにかできないだろうか?という思いから業務支援サービスの開発が始まったんです。

時間がかかる書類作成も、短時間で写真を交えた綺麗な仕上がりに

編集部:そんな経緯があったのですね。開発にあたって大切にされたポイントがあれば教えてください。

西村:網羅的に園の業務をサポートすることと、使いやすさです。似たようなシステムでは、「登園管理」や「日誌作成」など一部の機能のみに特化したものが多いのですが、私たちのサービスでは、園の業務全体に対して様々な機能を設けて対応しています。また「はいチーズ!システム」は保育士さんの状況を考慮し、パソコンで使うシステマティックなものは避け、スマホやタブレットで直感的に操作できるカラフルなアプリのようなデザインとなっています。

他にも、細かいところになりますが、複数の保育施設を管理している運営者のために、園ごとのパスワードやログインIDを作らず、一括で管理園全てにアクセスできるようなところにも気をつけています。

編集部:毎日使うものだからこそ、そういった細かな配慮はユーザにとって嬉しいものですね!

西村:機能追加についても、営業と保育士さんとの繋がりやシステム内にあるお問い合わせフォームを通じて、常にヒアリングや情報収集をしています。そのなかで注意している点としましては、「あれが必要」「これが必要」といった表面的な要望だけに囚われず、「その機能があれば、本当に根本的な問題解決になるのか?」ということを、業務内容を把握した上で明確にしてから進めるようにしています。

編集部:業務プロセスを交えて、検討することで、本当の意味で役立つ機能をリリースできるのですね。

さらに使いやすいサービスを目指して

編集部: BabyTech® Award Japan 2021に応募された理由についてうかがえますか?

西村:「はいチーズ!フォト」の頃からBabyTechやアワードのことは知っておりましたが、私たちのサービスは対象外だと思っていたんです。でも、2021年の9月に「はいチーズ!システム」をローンチし、「これなら応募できる!」と思って応募しました。

編集部:見事、大賞を受賞されましたが、受賞後の変化はありましたか?

西村:HPを見てくださる方から「賞も取っているんですね」というお声がけをいただけるようになり、保育博に参加した際、立ち止まって見てくれる方もいらっしゃいました。サービスの魅力をさらに多くの方に知っていただけるようになり、第三者機関の評価として、信頼性が増したと感じています。

編集部:ありがとうございます。最後に、今後のビジョンについて教えていただけますか?

西村:現在は、「はいチーズ!フォト」と「はいチーズ!システム」と別々のサービスとなっていますが、使い勝手をよくするため、サービスの統一化についても検討しています。あと営業としては、多くの方にサービスを利用していただきたいですね。
システムを導入しようか迷っている園の方に対しても、両サービスの魅力を知っていただける機会を増やしていけたらと考えています。

保育士さんが本来の仕事に集中しやすくなるように

編集部:保育士さん、ご両親、子どもたち、皆にとって良いサービスを提供し続けていただけたらと思います。本日は誠にありがとうございました!

取材を終えて

お話を聞いて、保育士さんの仕事の大変さと「はいチーズ!システム」の魅力を改めて実感しました。このサービスを提供している背景にある「ITの力で保育業界を良くしたい」という思いにも共感します。本当に大切なことに集中するため、困っている人の負担を減らすためのITという考えは、ベビーテックの根幹でもあるかと思います。今後も、ITの力で保育業界を元気にしていただきたいです!

「はいチーズ!システム」 公式ホームページ
https://hoiku-ict.com/

(終わり)

取材・執筆:立岡美佐子(たておか・みさこ)

IT企業から、編集・出版業界に転職。現在は、フリーランスの編集者兼ライターとして旅やグルメ、ソーシャル系など幅広い分野で編集や執筆活動を行っております。
大事にしているのは「価値のある情報を、読者に面白く、わかりやすく伝えること」。
これまで『TRANSIT』『FRaU』『メトロミニッツ』など多数の雑誌制作に携わってきました。
ベビーテックは、「子どもの頃にこんなサービスや商品があれば!」と思うものとの出会いばかりで、毎回刺激をもらっています。趣味は、旅行と料理と合気道。