BTA2024受賞商品発表

妊娠から育児期までの1000日間を、ママとパパに寄り添う「まいにちのたまひよ」

本サービスのポイント
  • 「まいにちのたまひよ」は、ママやパパになる人向けに毎日必要な情報を届けるアプリ
  • 専門家のアドバイスや、同期同士で励ましあったり先輩から情報がもらえたりするコミュニティ、妊娠期から長く使える成長記録などの機能も充実
  • 赤ちゃんの授乳やおむつ替えなどのお世話記録ができる機能が始まるなど、どんどん新しい機能が追加されている

ママやパパになる人にとって、妊娠や育児は、喜びと不安の毎日。これまで経験したことのない身体の変化や、まだ言葉を話すことができない子どものお世話をすると言うことは、何が正しくて間違っているのか判断が難しい瞬間も多いですよね。そんな両親のために開発されたのが、「BabyTech® Award Japan 2021妊娠と妊活部門」で優秀賞を受賞したアプリ「まいにちのたまひよ」です。

1993年創刊、妊娠・出産・育児を楽しむママやその家族のための情報誌『たまごクラブ』『ひよこクラブ』を発刊する株式会社ベネッセコーポレーションが開発したこのアプリは、妊娠から育児期までの1000日間をサポートするもの。そこに込められた思いやこだわり、そして今後のビジョンについて、同社の「まいにちのたまひよ」アプリチームのリーダーである松本京子さん(※以下、敬称略)に、お話をうかがいました。

(お話を伺ったのは)

株式会社ベネッセコーポレーション 
「まいにちのたまひよ」アプリ リーダー
松本京子(まつもと・きょうこ)さん

子どもの成長に合わせ、毎日、役立つ情報をお届け!

編集部:本日は、よろしくお願い致します。さっそくですが、「まいにちのたまひよ」のコンセプトについて教えていただけますか?

松本:こちらこそ、よろしくお願いします。「まいにちのたまひよ」は、妊娠から育児期までの1000日間、ママやパパをサポートするスマホアプリです。スマホからアプリを開くだけで、お腹のなかの赤ちゃんの状態が分かったり、同じ出産月のかた同士が支え合うコミュニティに参加できたり、子どもの成長記録をつけることができます。

編集部:様々な便利な機能があるのですね!ちなみに妊娠から1000日間というのは、どのような期間なのでしょうか?

松本:妊娠から2歳になるくらいまで間を指すのですが、この期間が最も変化の多い時期なのですよ。ママの場合、妊娠の時期(初期、中期、後期)によって、食事における注意点や生活スタイルも変わってきます。弊社が刊行している『たまごクラブ』『ひよこクラブ』でも、出産や育児に必要な情報を発信していますが、さらに家族に寄り添って、毎日の変化をサポートすることができないかと思い、アプリの開発に至りました。

編集部:そんな経緯があったのですね。たしかに、はじめて子どもを授かった両親にとって、変化の多い日々のなかで、信頼できる情報を得られるのは良いことだと思います。

松本:核家族化が進んでいる現在、相談できる人が身近にいないケースも多く、不安を抱えているママやパパも多いと思います。そんな時に、「まいにちのたまひよ」がお役に立てれば嬉しい限りですね。

編集部:なるほど。ここからは「まいにちのたまひよ」でできることについて、詳しくお話をうかがっていきたいと思います。まずは、トップ画面ですが赤ちゃんの今の様子がイラストで出てきてとても分かりやすいですね!

赤ちゃんの日々の変化がひと目で分かる仕様になっている

松本:アプリを開いた時に、赤ちゃんの様子が分かりやすいデザインにしています。まずは妊娠週数や出産までのカウントダウン、生後日数などがひと目で分かるようになっており、さらにイラストの横の「早見表」を押していただければ、赤ちゃんの成長の過程が確認でき、いつ頃どんなことが起きるのか(つわりの症状がピークになる等)、何をすべきか(母子手帳をもらう等)などがひと目で確認できるようになっています。

編集部:イラストの下には、赤ちゃんの状態や「ママ・パパへのアドバイス」が載っているのも便利ですね。

松本:ありがとうございます。ママ・パパへのアドバイスは、妊娠期は産婦人科の先生、育児期は小児科の先生や保育士さんなど、それぞれの分野の専門家のアドバイスを掲載しています。

「パパモード」では、現在の赤ちゃんの状態にくわえて、ママへの接し方や出産のためにとるべきアクションについて確認することができます。

専門家からのアドバイスも簡単にチェックできる

編集部:なるほど。夫婦で登録してお互いにアプリをチェックすることで、赤ちゃんの状態や、これからやるべきことについての会話も生まれそうです。

松本:そうですね。男性の場合、自分の身体のことでないため、ママの状態がわかりにくいことが多いんです。そんなときにアプリを確認することで「今のママは腰がいたい時期なのだな」と分かって気遣えるなど、パパ目線で何をしたら良いのかが分かり、育児に参加しやすくなるんです。アプリを通して、自分がパパになる心づもりや、新しい家族を迎える心の準備が出来るようになればと考えています。

編集部:他に、おすすめの機能があれば教えてください。

松本:出産月が同じパパやママのコミュニティもあります。こちらも人気で、お互いに悩みを相談し合ったり、励まし合ったりするのに使われています。

編集部:それは素敵な機能ですね!

松本:出産って人生のなかでも一大イベントの一つですし、苦楽を一緒に乗り越えられる同期のコミュニティがあるのは、心強いことだと思って作りました。
そして同期同士を「横のつながり」とすると、先輩後輩の「縦のつながり」で情報交換していただけるコミュニティが12月からスタートしました。使って良かった妊娠育児グッズなどの情報交換で盛り上がっています。

編集部:出産後の成長記録を付けられる機能も便利そうですね。

松本:赤ちゃんの生活の記録をしっかりつけることで、一日のオムツ替えの回数や、生活リズムなどを可視化することができますし、過去の記録を振り返って、赤ちゃんの成長を家族で感じることができるのも良いと思います。

人には相談しにくい悩みも同期のコミュニティで相談できる

編集部:素敵なサービスですね。ちなみに、「まいにちのたまひよ」に類似したサービスやアプリは他にあるのでしょうか?もしあれば、他のサービスとの違いについても教えていただきたいです。

松本:私たちが把握している範囲では、これだけの機能がそろっていて同じような規模感のサービスはないと思います。「まいにちのたまひよ」は、2022年9月時点で、月間43.7万人の方にご利用いただいており、利用者の母数が大きいのも特徴の一つです。

編集部:なるほど。実際に使っている皆さんからのお声について教えてください。

松本:「信頼性のある情報を気軽に確認できるので、助かっている」というお声や、「夫婦の会話のきっかけになっている」「ルームで他のママたちと情報交換できるのがありがたい」といった感想も届いていますね。あと、アプリのトップの表示内容は、日付が変わると更新されるのですが、「日付が変わる瞬間を楽しみにしています!」といった嬉しいお声も頂いています。

画面は見やすく、操作は簡単に。シンプルだから使いやすい

編集部:信頼できる情報がわかりやすく、手元に届くのは、何かと忙しいパパやママにとって嬉しいことですね。これまでは、「まいにちのたまひよ」の特徴について詳しくお伺いしてきましたが、ここからは開発経緯や細部のこだわりについて深掘りできたらと考えています。アプリの生まれた経緯について、改めておうかがいしてもよろしいでしょうか?

松本:妊娠・育児に関する情報発信は、以前からしておりましたが、日々の変化といいますか、もっと細やかでタイミングに応じた情報発信の必要性を感じておりました。これまでは、メールサービスや、似たアプリはあったのですが、妊娠中から産後まで継続して利用出来、コミュニティもくわわった大幅にリニューアルしたのは2019年のタイミングですね。

編集部:開発にあたって、こだわったポイントがあれば教えてください。

松本:トップ画面で、赤ちゃんの状況がひと目でわかるよう見やすさは、こだわりました。あとは、少しでも大変な妊娠期のママさんにリラックスして見てもらえるように、ママのページはやさしい暖色のピンクを取り入れています。

また、お世話記録のページでも登録にかかる労力を減らせるように、ボタン一つで何をしたか分かるように工夫しました。

優しい色合いで分かりやすいトップ画面

編集部:見やすさや使いやすさ、操作性など工夫されているのですね。

松本:あとは、毎日見ていただけるように、日付とともに表示される情報を最新のものにアップデートしたり、ルーム(同期のママさんたちがチャットできるコミュニティ機能)では、良いコミュニケーションをしてもらうための工夫(自動で運営からも投稿を出す、ハートボタンを設定する)もしています。

今後は、さらに多くのママやパパが繋がれる仕様に

編集部:様々な知見や専門家など、多くの方の協力の上に出来上がったアプリなのですね。2021年の「BabyTech® Award Japan」に応募した理由についても教えていただけますでしょうか?

松本:ママさんやパパさんにとって、身体の変化はもとより、情報やつながりが少なく大変な妊娠期や育児期。そんな負担を少しでも減らせるサービスとして、より多くの方に知っていただきたく、応募致しました。

編集部:ありがとうございます。最後に、今後の目標やサービス展開について教えていただけますでしょうか?

松本:アプリをご利用いただいている皆さまから日々たくさん頂戴しているご意見やご要望を1件1件確認しながら、アプリとしての使いやすさを追求していくことはもちろん、コミュニティのテーマをさらに増やし、ママ・パパたちにとってさらに役立てていただけるよう引き続き取り組んでいきたいと思っています。

編集部:本日は、どうもありがとうございました!

取材を終えて

変化の激しい、妊娠や育児期。無料でこれだけの役立つ情報に、分かりやすいかたちでアクセスできるのは、子育てをする全ての人にとって素晴らしいことだと思いました。さらに、お話をうかがって感銘を受けたのは、情報発信だけにとどまらず、「まいにちのたまひよ」を通じて、夫婦間やママ同士など、たくさんのコミュニケーションやつながりが生まれていること。もともと進んでいる、核家族化やコロナ禍の影響もあり、小さい子どもがいるママさん、パパさんは、抱えている不安や思いを表に出す機会が少なくなっているのではないでしょうか?そんな時に「まいにちのたまひよ」があれば気軽に、自分の気持ちを打ち明けることができ、パートナーの状況が理解できるところが素晴らしいと感じました。

「まいにちのたまひよ」 公式ホームページ
https://st.benesse.ne.jp/app/tamahiyo/

(終わり)

取材・執筆:立岡美佐子(たておか・みさこ)

IT企業から、編集・出版業界に転職。現在は、フリーランスの編集者兼ライターとして旅やグルメ、ソーシャル系など幅広い分野で編集や執筆活動を行っております。
大事にしているのは「価値のある情報を、読者に面白く、わかりやすく伝えること」。
これまで『TRANSIT』『FRaU』『メトロミニッツ』など多数の雑誌制作に携わってきました。
ベビーテックは、「子どもの頃にこんなサービスや商品があれば!」と思うものとの出会いばかりで、毎回刺激をもらっています。趣味は、旅行と料理と合気道。