- 「パパっと育児」「ainenne」のファーストアセント社が新ブランド「babycare+(ベビケアプラス)」をスタート
- 今後、同社のサービスはすべて「ベビケアプラスID」で横断的に利用できる
- ベビケアプラスチャンネルでは100本以上の育児に役立つショート動画&セミナー動画を見ることができる
株式会社ファーストアセントは「赤ちゃんの泣き声診断」で大人気の育児記録アプリ「パパっと育児」や「CES® 2021 Innovation Awards」を受賞したベッドライト型スリープトレーナー「ainenne(あいねんね)」の開発など、国内ベビーテックの最先端企業です。そんな同社は2022年3月に“子育てに安心を”をコンセプトとする新ブランド「babycare+(ベビケアプラス)」をスタートさせ、第一弾のサービスとして専門家監修の育児ショート動画100本以上を閲覧でき、視聴者が育児の悩みや疑問を投稿できる「ベビケアプラスチャンネル」をリリースしました。BabyTech.jp編集部は株式会社ファーストアセント代表取締役CEOの服部伴之さんと取締役 CMOの千葉祐大さん(以下、敬称略)に取材を行い、「ベビケアプラス」および「ベビケアプラスチャンネル」の概要や開発の経緯、今後の展開について伺いました。
(お話を伺ったのは)
株式会社ファーストアセント
代表取締役CEO 服部伴之さん
株式会社ファーストアセント
取締役CMO 千葉祐大さん
子育てに「テクノロジー」「専門家」「パートナー」をプラスしていくことを目指す
編集部:本日はお忙しいところ、大変ありがとうございます。さっそくですが、「ベビケアプラス」という新ブランドと「ベビケアプラスチャンネル」という新サービスの概要と特徴について伺えますか?
千葉:ベビケアプラスは“子育てに安心を”というコンセプトで提供する当社の新規事業になります。これまで当社は育児記録アプリの「パパっと育児」とIoTデバイスの「ainenne」を個別に提供してきましたが、これからは当社の新たな共通IDである「ベビケアプラスID」を取得していただければ、そのIDを使って当社のサービス全体を利用できるような枠組みになります。
このベビケアプラスを日本語にすると、「子育てにプラスを」というニュアンスになります。プラスする内容を具体的に申し上げると、「テクノロジーをプラス」「専門家をプラス」「パートナーをプラス」ということであり、それらはベビケアプラスが提供するサービスのコンセプトになります。
たとえばテクノロジーをプラスとは、具体的にはパパっと育児やainenneなど、いわゆるベビーテックの提供です。そして専門家をプラスとは「パパっと育児@セミナー」など、育児に関する専門家と協力したサービスの提供です。当社が大切にしてきた「エビデンスのある情報を伝えたい」という目標を実現するためには、AIを活用するだけでなく、有識者の方々と共に取り組む必要があると考えています。最後にパートナーをプラスというのは、パパとママ、さらには周りの人が協力して育児に取り組めるようにする環境づくりです。たとえばパパっと育児は、パートナー同士で協力できるように複数のスマホで情報を連携できました。パパ・ママだけでなく、祖父・祖母の方たちにも育児に参加していただきやすい環境を提供したいと考えておりまして、そのために最新の育児情報をお届けしたり、育児への参加を促したりするような仕組みを作っていきたいと考えています。
ウェブで見られるショート動画により、利用者のハードルを下げていく
編集部:ありがとうございます。そのベビケアプラスブランドが提供するサービスの第一弾が「ベビケアプラスチャンネル」と言うことですね?
千葉:当社が提供するパパっと育児はこれまで多くの方に利用していただきましたが、「アプリをダウンロードする」ことや「育児記録を付ける」ことは、それなりに負担がかかります。はじめての子育てで混乱している最中に、より簡単に育児情報をお届けするためにどうすれば良いかを議論・調査した結果、ウェブサービスとして、短時間で視聴できる「ショート動画」を提供するのが適しているという結論に至りました。新型コロナウイルス感染症の影響でパパ・ママがリアルのイベントで専門家の話を聞く機会は激減していますから、スマートフォンを通じて自宅で育児情報を得たいというニーズは大きいと考えています。
編集部:たしかにYouTubeやInstagramなど、ショート動画は世の中のトレンドとも言えますね!
千葉:もう一つ補足すると、当社がこれまでパパっと育児から視聴できる「パパっと育児@セミナー」で行ってきた「赤ちゃんの睡眠で悩んでいる方向けのセミナー」や「お子さんの離乳食が始まる方向けのセミナー」などは非常に満足度が高かったのですが、アプリからしかアクセスできず、かつ1コンテンツが60分程度のライブ形式での動画サービスとなっていることから、特に子育て中の忙しい利用者に対してまとまった時間拘束をしないと閲覧できない負担の大きいものでした。そこで利用者の利便性に立ち返り、抜本的に方向性を変えたわけです。
専門家の監修のもと、徹底的にこだわって作られたショート動画
編集部:ベビケアプラスチャンネルの詳細について伺えますか?
千葉:まずベビケアプラスにIDを無料登録いただくことで、ベビケアプラスチャンネルの100本以上のショート動画を見ることができます。また、育児に関する悩みや質問を投稿していただきますと、当社側で良い質問をピックアップし、専門家監修のもとショート動画として制作させていただきます。さらに月額500円のプレミアムプランに加入いただくと、育児に関する専門家のLIVEセミナーへの参加や、そのアーカイブ動画の閲覧が可能となります。
編集部:リリース時点で100本もショート動画があるとは大変な量ですね。
千葉:皆様からのお悩みや質問を受けて、今後もどんどん増やしていく予定です。また、ベビケアプラスやベビケアプラスチャンネルから初めて当社を知っていただいた方には、同じ登録IDでパパっと育児やainenneが使えるという動線もご用意しています。
編集部:ショート動画を作成する上で特に苦労された点や工夫された点はありますか?
千葉:まず、信頼できる専門家が動画に出演・監修してくださっており、エビデンスに基づいたアドバイスをしてくれているところが特徴です。また、多くのママモニターユーザーに協力いただき、声色や再生速度を調整しています。今の形が完成という考えではなく、これから多くの方にご利用いただき、ご意見が集まることで今後も細かいチューニングを継続していく予定です。
ベビケアプラスで「安心できる子育て」を支え、ベビーテックを浸透させる
編集部:ここで服部様と千葉様の子育てをテクノロジーの力で変えていくという御社のビジョンについて、ベビケアプラスに込められた思いを伺わせてください。
服部:私がはじめて子育てをした時は、インターネット上にSEO対策された真偽の定かではない情報が溢れていまして、そういった情報を上手く精査して扱えないと、非常にストレスを感じてしまうという現場を目の当たりしました。その時に、私は自分で情報の精査を行い、現場を改善しようと考えたのですが、一つ一つの情報がエビデンスに則ったものなのか否かを見分けるのに大変苦労をしました。その時に、エビデンスベースの情報が集まっていて、かつ専門家が教えてくれる場がほしいと思ったわけです。その理想を現実化したのが、今回リリースしたベビケアプラスチャンネルになります。
また、ベビケアプラスというブランドを通じてお伝えしたいのは、育児にテクノロジーを活用することは、育児を怠けることを意味するのではなく、赤ちゃんの事がよく分かるようになって、よりよいケアをできるようになる事を意味するということです。だからテクノロジーの活用で、赤ちゃんにとってよりよい環境を、そしてママ、パパにとってもよりよい環境を提供できるようにしていきたいのです。ベビケアプラスというブランド名には、そんなふうにテクノロジーやプロダクト、さまざまなソリューションなどいろいろなものをプラスして、子育ての手助けをしていきたいという思いを込めています。
千葉:それに補足しますと、私はベビーテックを日本に早く浸透させたいという思いが強くあり、その最適解がベビケアプラスでした。登録すればさまざまなベビーテックを利用できるベビケアプラスという仕組みこそ、より多くの人にベビーテックを使ってもらうための一つの方法であり、一歩踏み出したサービスだと思っています。
また、今の世の中では子育て中のパパやママの片手には、必ずスマホがあることでしょう。ですから、パパやママが世の中に溢れる育児情報で迷ったとき、ベビケアプラスチャンネルで信頼できる専門家が監修したショート動画をパッと見る……という利用シーンをイメージしています。このようなシチェーションであれば、子育て中のほとんどの人に使ってもらえる可能性があります。
もう一つ実現したいのは、子どもが生まれる前のプレパパ・プレママにも事前情報として見てほしいということです。さらには、これからは社会全体で育児に関わる人、すなわち「育児の関係人口」を増やすことが必要だと思います。そこでベビケアプラスチャンネルによって子育てが一段落した人や、子どもを持たない選択をした人にも最新の育児知識を提供し、自分に何ができるか考えてもらうきっかけを作ることができれば……とも考えています。
これから急速に広がっていくベビケアプラスの世界
編集部:大変ありがとうございました。最後に、今後のベビケアプラスの展開について伺えますか?
千葉:今後の展開ですが、いくつかのアイデアを検討中です。まず、「睡眠ダッシュボード」というお子様の睡眠データを解析し、専門のアドバイザーがアドバイスをするというサービスを準備しています。また、ベビケアプラスのサービスコンセプトの「パートナーをプラス」という側面を拡張するために、「ベビケアプラスコミュニティ」とでも言うような当社のサービスを利用されているママ友・パパ友がつながれる場を提供したいと考えています。それはネット上だけでなく、リアルでのイベントも含まれます。
他にも、たとえば2022年4月に男性が育休を取りやすくなる法改正の施行が予定されていますから、これに合わせて企業向けのサービスも検討中です。ほかにも自治体にベビケアプラスに登録いただき、その自治体のパパ・ママに動画を利用いただくことも考えられます。
取材を終えて
創業して10周年を迎えるファーストアセントは、パパっと育児やainenneで蓄積した育児に関するビッグデータを長年に渡って収集し、その解析を進めてきました。そこには世の中の多くのパパ・ママの育児に関する悩みの解決につながるヒントがたくさん眠っていると思われます。そのヒントからは、さらに驚くようなベビーテックが生まれることでしょう。今後もますます同社の動きから目が離せません!
なお、2022年3月末までのベビケアプラスのリリース記念キャンペーンが行われています。大変お得なキャンペーンですので、ぜひご応募くださいね!
「ベビケアプラスキャンペーン」 応募ページ
https://babycare-plus.com/contents/lp.html