BTA2024受賞商品発表

入力が簡単で続けやすく、パートナー間の情報共有もスムーズな育児記録アプリ「ぴよログ」

本製品のポイント
  • 「ぴよログ」は赤ちゃんの授乳・排泄など、さまざまな情報を記録・共有できるアプリ
  • スマホでの片手入力、さらには音声入力も可能など、育児中の使い勝手が抜群
  • 2020年4月時点で100万ダウンロードを超え、多くのパパ・ママに愛用されている

無料で利用できる育児記録アプリ「ぴよログ」は、パートナーが出先で直接関われない状況でも子どもの情報を共有できる点や、片手だけで記録でき、手が離せない場合は声だけでも入力できる点などが評価され、「BabyTech® Award Japan 2020健康管理部門」で大賞を受賞しました。そこで今回、BabyTech.jp編集部は「ぴよログ」を開発した株式会社ぴよログで広報・マーケティングを行っている西澤直之さん(以下、敬称略)に取材を行い、同製品の概要や開発の経緯、今後の展開について伺いました。

育児記録アプリへのさまざまな要望にきめ細かく対応したアプリ

編集部:本日はお忙しいところ、大変ありがとうございます。さっそくですが、「ぴよログ」の概要と特徴について伺えますか?

西澤:「ぴよログ」は授乳や睡眠、排泄などの記録を簡単に入力できる育児記録アプリです。記録できる項目は多岐にわたり、先ほどの項目のほかにも身長、体重、離乳食、予防接種など、赤ちゃんの日々の様子を必要に応じて記録していくことができます。最大の特徴は、夫婦や家族間で育児記録を共有できる点です。最近は情報を共有できる育児アプリも増えてきましたが、ぴよログを開発した2016年〜2017年頃は、まだほとんどありませんでした。


赤ちゃんの食事量や睡眠時間を夫婦で情報共有できる

そして現在最もアピールできる点は、音声入力が可能ということです。SiriやGoogleアシスタント、Amazon Alexaなどを使えば、スマホを触らなくても声をかけるだけで入力できます。

編集部:他社の育児記録アプリもいろいろと取材させていただきましたが、音声入力が可能なのは本当に珍しいですね。

西澤:私や開発を担当した弊社代表の榊原の実体験ですが、おむつを替えたり、授乳をしているタイミングは両手がふさがっていて、なかなかスマホに触れません。そのあとすぐ他の用事ができてしまうと、結局スマホに育児記録を入力し忘れることもよくありました。音声入力であれば、両手がふさがっている最中でもリアルタイムに記録をつけることができます。そういう点で非常に便利なものと考えています。


ぴよログの記録画面

編集部:スマホやスマートスピーカーがあれば、家のどこでも簡単に記録がつけられるわけですね。具体的にはどのように音声入力するのですか?

西澤:たとえば、「Hey Siri、うんちをしたよ」と言っていただけば、自動的に「時間」と「内容」が記録されます。「ミルクを飲んだよ」と言うと、「ぴよログ」のほうから「何ml飲みましたか?」といった返事があり、それに「200ml飲んだよ」と答えると、「ミルクを飲んだ量」と「時間」が記録されます。

編集部:それはいいですね! 私もいくつかの育児記録アプリを「時間」や「数値」の入力が面倒で使わなくなったのですが、ぴよログの音声入力なら続けられそうな気がします。ちなみに、記録をする画面上のストップウォッチのアイコンはなんでしょうか?

西澤:「授乳タイマー」と言います。母乳はミルクのように正確な分量を記録するのが難しいので、その代わりにおっぱいを赤ちゃんにくわえさせて、授乳タイマーを利用していただくことで、授乳時間をカウントできます。授乳しながら時計をチラチラ見て、何分だったかな……と記録するのはかなり大変なので、このような機能が実装されました。


授乳タイマーの画面

実体験で感じた「育児情報の共有の難しさ」から「ぴよログ」は生まれた

編集部:そもそも「ぴよログ」を開発されたきっかけは、どういうものだったのでしょうか?

西澤:「ぴよログ」を開発した榊原自身に子どもができたとき、夫婦間で育児記録をうまく共有できず、育児参加がしにくかった体験がきっかけです。当時は産院から受け取った紙の育児記録ノートに育児記録をつけていたのですが、そのノートは数カ月分しかなく、それを書き終えたタイミングで続きの記録をどうするかと相談した結果、既存の育児記録アプリを使い始めました。ところが当時の育児記録アプリは情報を共有する機能が無く、いちいちアプリを使っている相手に「おむつを○時に替えたから記録しておいて」と伝えなければならなかったのです。それが不便だったため、自分たち夫婦のために育児記録を共有できるアプリを作ろうと考え、開発したのが「ぴよログ」です。

編集部:代表ご自身の育児経験がきっかけだったのですね。多くの人がそのイライラに共感したと思いますが、現在の利用者数はどれくらいでしょう?

西澤:2020年4月の時点で、100万ダウンロードを超えています。

利用者の声(=育児現場の声)により、どんどんアプリをアップデート

編集部:iPhoneのアプリストアでは3.9万人もの方がコメントをされていますが、特に利用者の感想としてはどのようなものがありますか?

西澤:家事・育児をしているとあっという間に時間が過ぎ、前回授乳してから何時間経ったか、また赤ちゃんが起きてからどれくらい経ったか分からなくなってしまう状態が続いていたが、「ぴよログ」を使うことで赤ちゃんの生活リズムが把握しやすくなった、という声をいただいています。また、離れて暮らす祖父母の方たちから、遠くにいても赤ちゃんの成長を感じられるという声もいただきました。ほかにも双子を育てている方から、どちらの子のおむつを替えたか、どちらの子にミルクをあげたか混乱してしまうことがあったが、「ぴよログ」を使うことでスムーズに赤ちゃんの状況を把握できるようになった、というお話も伺っています。


記録はグラフ化され、子どもの成長が実感できる

編集部:ぴよログで情報を共有できる人数に上限はあるのでしょうか?

西澤:とくに上限はありません。一般的にはご夫婦間で共有していただいていますが、両家の祖父母の方に共有しているユーザー様もいらっしゃいます。

編集部:利用者の目線からすると、非常に「ぴよログ」のデザインはかわいらしくて、親しみがあると思いました。背景カラーもいろいろ選べるのは珍しいですね。

西澤:逆に「アイコンが可愛い過ぎる」という意見もあって、シンプルなデザインのアイコンをあとから追加しています。

編集部:それから広告バナーが非常に小さく、無料版でも使いやすいと思いました。また、アプリを使い始めて最初に表示されるチュートリアル(=説明)が非常に親切で、感動しました。

西澤:広告バナーの大きさや位置は利用者の声を伺い、これまでのアップデートで調整してきました。また、チュートリアルは2021年の2月に実装したばかりです。

編集部:常に利用者のことを考えられて、アップデートを繰り返されているのですね。

西澤:ぴよログのメニュー画面の右上に「月のマーク」がついていますが、それを押すとダークモードになります。これも夜中の3時くらいにミルクを飲ませたりしたときに、スマホ画面が明るいと飲ませ終わったあとに赤ちゃんが起きてしまったり、保護者の方にとってもまぶしいという声から実装しました。最初から「何時から何時まではダークモードになる」という設定も可能です。

関連アプリの「ぴよログ」シリーズで、ますます手厚く育児をサポート

編集部:「ぴよログ」というアプリの今後の展開について伺えますか?

西澤:育児記録アプリは毎日使い続けるものですから、極力手間を最小限に抑えてより便利なものにし、ささいなことでも「こういう機能があったら」といったご意見を少しずつ解消していきたいと考えています。

編集部:「ぴよログ」の姉妹アプリといった形で、「ぴよログ予防接種」というアプリもリリースされていますね。

西澤:「ぴよログ予防接種」で記録した情報は、連動してぴよログにも入力されます。ぴよログと連携するアプリとしては、ほかにも「陣痛タイマー byぴよログ」という陣痛を記録するアプリがあります。「ぴよログ」をスタートする前の妊娠期間中に使うアプリとして、陣痛が来た・陣痛がおさまったというタイミングをカウントします。

 

取材を終えて

やはり開発者自身の育児経験で感じた「育児記録アプリ」の使い勝手が開発のきっかけということもあり、「ぴよログ」の使い勝手はかなり「分かっているなあ!」という印象を持ちました。夫婦間の情報共有、見やすいグラフやイラスト、親切な使い方の説明、そして音声入力などの価値は、本当に育児を経験した人には間違いなく伝わるのではないでしょうか。直近ではApple Watchにも対応したとのことで、ますます育児の強い味方になってくれそうです。

ぴよログ 公式ホームページ
https://www.piyolog.com/