BTA2024受賞商品発表

ベビーテックアワードジャパン2年連続大賞。乳幼児の安全と保育士の安心を支える「hugsafety 午睡見守りサービス」

本サービスのポイント
  • IoT午睡センサーで就寝中の乳幼児の呼吸にともなう体動をモニタリング
  • 保育従事者の業務負担軽減を図るため常にアップデート
  • 2年連続でベビーテックアワードジャパン(安全対策と見守り部門)大賞を受賞

保育施設での死亡事故の約7割が睡眠中に発生していることをご存知でしょうか。SIDS(乳幼児突然死症候群)という病気や、窒息などによって平成30年には約60人の小さな命が失われました。乳幼児たちの安全を守りながら、保育士さんの心理的な負担軽減に寄り添う「hugsafety 午睡見守りサービス」について株式会社hugmo 代表取締役社長 湯浅 重数さんにお話を伺いました。

(お話を伺ったのは)

株式会社hugmo
代表取締役社長 湯浅 重数さん

エアーセンサーを搭載したマットとクラウドを組み合わせて午睡をモニタリング

編集部:「hugsafety 午睡見守りサービス」の特徴についてお聞かせください。

湯浅:エアーセンサーを搭載した非接触型ワイヤレスマットで午睡中の乳幼児の呼吸にともなう体動の状態をリアルタイムでモニタリングします。就寝中のお子さんの横隔膜の音はエアーセンサーで検知しています。エアーセンサーの利点はチューブ内に空気が入っているので柔らかく、快適な寝心地が得られること、そして通電していないため安全性が確保できることも採用の決め手となりました。

編集部:いろいろと利点があるエアーセンサーですが、保育の現場では使われてこなかったのでしょうか。

湯浅:もともとエアーセンサーは介護の現場では使われていました。しかし、介護用のエアーセンサーは4本程度だったため、乳幼児の横隔膜の音を検知することは困難でした。そこでエアーセンサーの数を8本に増やしたことで乳幼児の横隔膜の音が検知できるようになりました。また、呼吸を監視しているとレム睡眠か、ノンレム睡眠かも把握できます。睡眠が深いレム睡眠の時に起こしてしまうとなかなか泣き止んでくれませんから、睡眠の波がわかることは保育士さんにとってたいへん有益だと思います。

編集部:クラウドを利用していることも特徴だそうですね。

湯浅:はい。クラウドを活用することで保育士さんの午睡チェック業務の負担軽減をアシストしています。製品の性質上、センサーの誤動作はあってはなりません。トラブルを回避するために、さまざまな工夫を凝らしました。アプリ上で入眠を記録する操作を行うと、センサーが作動しモニターを開始します。また、お子さんの睡眠時の様子、いわゆる「午睡チェック」をクラウド上で記録することができます。お昼寝の時間は、連絡帳アプリへ自動で転記されるので入力作業の負担も図れます。

小さなアップデートを積み重ねることでユーザビリティを向上

編集部:アップデートされた機能について教えてください。

湯浅:保育士さんからの声をもとにアプリの操作性、利便性を改善しました。具体的には「hugnote」上で欠席にチェックを入れると、その日の午睡チェックの対象から除外されるようになったり、お子さんの体調面について記載する特記事項を入力する際に、日時が自動で挿入されるようになったり、メニューや画面、自治体の監査の際に必要な午睡チェック表をより見やすくしたり、といった箇所となります。今後もこうした小さなアップデートを積み重ねることで利便性を高めていきたいですね。

編集部:「hugsafety 午睡見守りサービス」によってSIDS(乳幼児突然死症候群)が減少したという明確な成果は表れているのでしょうか。

湯浅:まだそういったデータは得られていません。弊社のサービスによって保育園で起きる睡眠中の死亡事故が減らせたという実証結果が得られるには、もうしばらく年月がかかりそうです。まずは保育士さんの負担軽減という形で貢献していければと考えています。

編集部:保育博2020でも「午睡見守り」をテーマにした製品が複数出展されていたことからも、ベビーテックにおいて大きなテーマのひとつだと言えますね。

湯浅:はい。日本国内に限らず世界的に見ても「午睡見守り」というテーマは注目度が高いです。ベビーテックが注目を浴び始めた数年前から多種多様なセンサーでアプローチした製品が盛んに開発されるようになりました。

2019年に続き、ベビーテックアワードジャパン2020(安全対策と見守り部門)で大賞を受賞

編集部:ベビーテックアワードジャパンでは2年連続で大賞を受賞されましたが、反響はいかがでしたか。ベビーテックの関心や高まりを感じる機会も多くなったのではないでしょうか。

湯浅:大賞をいただくのと、いただかないとでは全然違ったと思います。ただ、まだマーケットにベビーテックが浸透しきっていないと感じることも多いですね。この数年でベビーテックの関心度は格段に高まっているのを感じますが、海外に比べるとまだまだ、といった印象です。日本には子供は手をかけて育ててあげることを美徳とする文化が残っていることも少なからずあります。日本でも共働き世帯が増えましたが、女性が働きに出ることがなかなか難しいという社会的背景も影響しているのかもしれませんね。

編集部:今後の展望についてお聞かせください。

湯浅:ベビーテックのさらなる普及が重要だと日々痛感しているので、ベビーテックの認知を高める役割を全力で果たしていきたいです。保育施設はもちろんですが、家庭用にも広く普及していければと考えています。また、海外へのチャレンジも視野に入れていますので、そのための足掛かりとして世界最大の家電見本市「CES」への出展をめざしたいですね。

 

取材を終えて

2年連続でのベビーテックアワードジャパン大賞受賞にも決して満足することなく、より質の高い保育を実現したいという熱意がひしひしと伝わってきました。常に現場の声に耳を傾け、アップデートを積み重ねる「hugsafety 午睡見守りサービス」はこれからも乳幼児の安全、そして保育士さんの業務負担といった現場が抱える課題の解決に向けて一役も、二役も買ってくれるに違いありません。

hugsafety 午睡見守りサービス
https://www.hugmo.net/hugsafety/