本製品のポイント
- チームメンバーがパラオ共和国で脱水に苦しむ多くの乳幼児と対面し、開発スタート
- おしゃぶりに付いているセンサーによって、赤ちゃんの「水分量」を判定
- 「脱水症状」の場合はスマホに通知し、適切な処置方法もアドバイスしてくれる
(お話を伺ったのは)
チームRota++
リーダー 山蔦 栄太郎さん
スタンフォード大学での「偶然の出会い」から生まれた
編集部:「ユア パシファイア」を開発したきっかけを教えてください。
山蔦: チームRota++のメンバーである当時医学部生の寺本が、研究・研修目的でパラオ共和国の病院を訪れた際、「脱水症状」で担ぎ込まれる数多くの赤ちゃんを見た……というのが「ユア パシファイア」を開発したきっかけです。
編集部: そこからの開発はどのように進んだのでしょうか?
山蔦: スタンフォード大学のヘルスケア・ハッカソン(医療系技術者によるイベント)で、寺本が「途上国でのロタウィルスによる嘔吐・下痢の解決策は、何かないだろうか?」と問題提起しました。そのイベントに参加していて、彼の提起した問題に興味を持ったメンバーが「チームRota++」となったのです。そしてメンバー達が「こういうアイデアはどうか」「自分はこんな技術を持っている」という話し合いをする中から、「ユア パシファイア」は生まれました。その後、日本に帰ってきてからも改良を続けたのですが、メンバーが全国各地に散らばっていたので苦労しました。ソフトウェアの開発ならネット上で完結できますが、ハードウェアは実際に集まって改良しないと、手触り感も含めて良いものができないので。他にも学生メンバーは本業(=学業)が忙しくなったり、センサー・回路系に強いメンバーがいないことも大変でした。