- 「ポニット ポケットアドベンチャー」は、キャラクターたちと様々な設計図や素材を集める位置情報ゲームアプリ
- 各都道府県のランドマークの設計図や特定の場所で手に入るアイテムなど、寄り道したくなる仕掛けがいっぱい
- 車内でアプリを使えるのは後部座席のみ。自動車に関する様々な知見を持ったトヨタ自動車との共同開発で、これまでにない安全性を実現
車でのお出掛けは、目的地に行くためのものでありますが、その道のりが楽しければ、さらに外出の充実度がアップしますよね。株式会社キッズスターとトヨタ自動車株式会社が共同で開発を進めている「ポニット ポケットアドベンチャー」は、これまでにない、ドライブが楽しくなる位置情報ゲームアプリです。親子で楽しめる学習アプリ「ごっこランド」が「BabyTech Award Japan 2019」の「遊びと学び部門」最優秀賞(大賞)を受賞したキッズスターと、国際的なモビリティカンパニーであるトヨタ自動車が開発を進める最新のアプリとはどのようなものなのでしょうか?キッズスターの取締役である松本さんにその魅力を伺いました。
お話をうかがったのは…
株式会社キッズスター
取締役
松本健太郎(まつもと・けんたろう)さん ※以下敬称略
アプリをきっかけに広がる世界、親子の会話
編集部:まずは、ポニット ポケットアドベンチャーについて教えてください。
松本:ポニット ポケットアドベンチャーは「家族での移動をより身近に楽しくする」をコンセプトに開発された位置情報ゲームアプリです。未知の惑星から地球にやってきたポニットは、「素材と設計図で、あらゆるものをコピーできる」という特殊能力の持ち主。主人公はポニットと一緒に、様々な場所にある「素材」と「設計図」を集めて、建物を作っていきます。作った建物はデコレーションを施し、地図上に配置することで、他のユーザーにお披露目することができます。
訪れた場所ならではの設計図が獲得できたり、ポニットの友達が出てきたりと、ストーリーとしても、お子さんの好奇心を刺激する要素を沢山盛り込んでいます。
編集部:なんだかワクワクする内容ですね!対象となるお子様の年齢はどれくらいを想定されていますか?
松本:メインは、小学校高学年から中学生くらいです。これくらいの年齢になると、自身の端末を持つようになり、親子でドライブに行く際、車内での会話が少ないということをよく耳にします。SNSを見たり、音楽を聞いたり、ゲーム機で遊んだりするのも良いのですが、もっと親子の会話の機会が増えて、移動自体をもっと楽しめるものにしたいという思いが開発の動機になっています。
編集部:どんなシーンでどのような親子間の会話を想定されているのか、ゲームの特徴と合わせて教えていただけますか?
松本:このゲームは、修行のために地球を訪れたポニットが自分のコピー能力を伸ばすために、ユーザーと一緒にいろいろな設計図とそれを作るための素材を集めていくストーリーから始まります。設計図は普段の移動で獲得できるものや、その場所に行くことで獲得できるランドマークがあり、例えば東京都ならば東京スカイツリーといったように、各地の名所が含まれます。ですので「次はあそこへ、あの設計図を取りに行きたい!」といったようにドライブに出掛けるきっかけづくりをしてくれます。
また、トヨタ自動車の保有するビッグデータを解析した情報を用い、実際の道路状況と連動したお知らせやアイテムが出現するのも特徴の一つです。ドライブ中に「ここは走りやすい道だよ」「ここは注意して走ろう」といったお知らせと一緒に、UMO(ユーモ)という連動アイテムが出現し、その道の特別感を演出します。
ゲームと実際の場所の状況をつなげることで、新しい移動中の体験を生み出したいです。例えば、このお知らせを見たお子さんが運転席の親御さんに対して「こんなことが表示されているよ!」と話しかけ、それをきっかけに運転がより楽しくなり、車内との会話が弾めばと考えております。
さらに、車移動だけではなく、普段の移動の楽しみも広げたいという思いもあります。いつもの習い事の送迎で「もう一本先の道にアイテムがあるよ!」「じゃあ少し寄り道して見ようか」といった具合に、移動中の会話が増えると楽しいですよね。
獲得した特定のアイテムを利用する際には、学校の勉強で習ったことや、時事問題、交通に関するクイズが出題される仕掛けもあるんですよ。
編集部:ドライブ前やドライブ中など様々なシーンで親子の会話が盛り上がる仕組みになっているのですね。ちょっと寄り道をすることで、新しい発見もありそうで、車でのお出掛けがさらに刺激的なものになりそうです!
松本:ありがとうございます。子どもが一緒に利用するアプリなので、車移動時のみの利用時だけではやり込めない部分もありますので、徒歩やご自宅でも利用できます。アイテム探しという目的で、少し普段と違う風景を見ることは、お子さんの世界に対する好奇心を刺激するのでは、と考えています。
編集部:運転中の安全面に関しても様々な工夫があると聞きましたが、そちらについても教えていただけますか?
松本:位置情報を活用したゲームアプリでは、一定以上の速度が出る移動時に、ながらスマホを防止するために「規定の速度を超えています」「車の運転手ではないですか?」といったメッセージが表示され、一部の機能が使えなくなるものが多いです。
ポニット ポケットアドベンチャーでは、アプリを利用いただく方の座席位置を認識する機能を用いることで、移動中の車内でもゲームを楽しむことができます。具体的には、車の移動速度を感知した際に、スマホのカメラと用いて、後席の方が利用していることを確認する画像認識機能を搭載しています。加えて、車酔いを低減する機能も提供しております。
編集部:車酔い低減!そんなことができるのですか!?
松本:スマホの傾きを検知し、正しい姿勢を維持して頂くお知らせを表示する画面を用意しています。実際には、スマホが下を向くとそれをセンサーが感知し「スマホを上に持ちあげよう」といったメッセージが表示されるようにしています。
編集部:いろいろな思いや、安全快適に使うための仕組みが盛り込まれているのですね。
親しみやすいキャラクターたちと冒険に出掛けよう!
編集部:ここからは、アプリの開発についてお伺いできたらと思います。まずは、開発の経緯について教えてください。
松本:弊社が開発した、親子で学べる社会体験アプリ「ごっこランド」をトヨタ自動車の方がお子さんと使われており、お声をかけていただいたのがきっかけです。「ドライブを親子で楽しんでほしい」というトヨタ自動車さんと、「子どもの“夢中”を育てて応援する」ことを大切にする弊社で検討を重ねた結果、「ポニット ポケットアドベンチャー」にたどりつきました。
編集部:子どもに夢中になってもらうために工夫したことがあれば教えてください。
松本:親しみやすいキャラクターや世界観、ストーリー展開を意識して開発を行いました。あと、一番大切にしているのは、利用者の声を反映することです。実際に子どもたちにアプリを使ってもらい、私たちが考えていた反応との違いを分析深掘りすることで、さらに良いものができると考えております。
近いものでは、2023年10月27日〜11月2日(応募期間:〜2023年10月23日)まで1000名の方を対象にアプリのβ版テストを実施する予定です。そちらでも参加者の方の生の声をうかがい、アプリづくりに生かせたらと考えています。
編集部:ありがとうございます。ここからは、キャラクターについて教えてください。先程、親しみやすさを重視したとお話されていましたが、そちらについて具体的にはどのように反映されているのでしょうか?
松本:ポニット ポケットアドベンチャーは、お子さまの好奇心を刺激し、家族のドライブを楽しくしてくれるものなので、利用者の性別は関係ありません。なので、ポニットも中性的なプリンのような見た目と色合いにしています。他の登場人物たちも同じですね。
それぞれ、運動神経抜群が良かったり、ちょっと嫌味(でも、根はいいやつ)だったり、食いしん坊のひょうきんキャラだったりと、性格もどこか親しみやすいものにしています。
編集部:ありがとうございます。主人公と一緒に行動するキャラクターが異星人と言うことで、お子さん自身も普段見慣れた風景もちょっと違ったふうに見えるかもしれませんね。最後に、今後の目標について教えていただけますか?
松本:まずは今回のβ版テストで得られた結果を分析するのが第一目標です。16日間という短いテスト期間ですが、ゲームを通して家族で出掛ける楽しさや、何かを知る喜びを多くのお子さんに感じてもらえると嬉しいですね。
編集部:ありがとうございました!
<お話を伺って>
車移動の楽しさは、気分によって少し寄り道をしてみたり、車内でワイワイ盛り上がれたりする自由度の高さだと思います。このポニット ポケットアドベンチャーは、そんな車のお出かけの特性を活かしつつ、ゲームの面白さに加え、新しい発見や気づきや学び、家族の会話につながるところが他のゲームアプリと最も違う点なのではないかとお話を伺って感じました。気になる方は、ぜひβ版テストに応募してみてくださいね!
取材・執筆:立岡美佐子(たておか・みさこ)
IT企業から、編集・出版業界に転職。現在は、フリーランスの編集者兼ライターとして旅やグルメ、ソーシャル系など幅広い分野で編集や執筆活動を行っております。
大事にしているのは「価値のある情報を、読者に面白く、わかりやすく伝えること」。
これまで『TRANSIT』『FRaU』『メトロミニッツ』など多数の雑誌制作に携わってきました。
ベビーテックは、「子どもの頃にこんなサービスや商品があれば!」と思うものとの出会いばかりで、毎回刺激をもらっています。趣味は、旅行と料理と合気道。