BTA2023受賞商品発表!

子どもたちの運動量を無理なく測定、可視化することで保育・教育の向上を目指す「さんさんキッズシステム」

本サービスのポイント
  • 保育園などで過ごす子どものリアルな活動量、運動量を可視化してくれるシステム
  • 計測された数値は国際基準に基づいており、結果は保育計画などの改善に使える
  • センサーの電池交換が年1回など、導入後の労力や金銭的ハードルは極めて低い

今回ご紹介する「さんさんキッズシステム」は、子どもの発育・発達を見える化するシステム。子ども達が装着した活動量計のデータを分析し、日々の運動量やその強度を教えてくれます。そんな同システムは「BabyTech® Award Japan 2021リサーチ・研究部門」で大賞を受賞しました。そこでBabyTech.jp編集部は「さんさんキッズシステム」を開発したゴレタネットワークス株式会社の黒田正博さん(以下、敬称略)に取材を行い、同システムの概要や開発の経緯、今後の展開について伺いました。

(お話を伺ったのは)

ゴレタネットワークス株式会社
黒田正博(くろだ・まさひろ)さん

普段どおりに過ごす子どもたちの「本当の活動量・運動量」を見える化する!

編集部:本日はお忙しいところ、大変ありがとうございます。さっそくですが、「さんさんキッズシステム」の概要と特徴について伺えますか?

黒田:さんさんキッズシステムは保育士や研究者のために、子どもの発育・発達を見える化するシステムです。具体的には子どもたちの活動量・運動量を測定・分析し、その結果を保育・教育・研究に活用していただくものです。

編集部:このシステムを開発されたきっかけはどのようなものだったのでしょう。

黒田:開発の発端は10年前の大規模震災で子どもたちの屋外活動が制限されたことでした。地方自治体が危機感をもって子どもたちの運動状況を調査したいという事で、このシステムの研究・開発がスタートしました。

子どもたちの運動が制限されてしまう環境下では「運動状況を可視化するニーズ」があるわけです。これはまさに、昨今の新型コロナとも関連があると言えます。新型コロナが発生して3年目に入り、幼稚園児や小学生の運動量が減るなど、いろいろなことが見えてきています。

さんさんキッズシステムの画面イメージ

子どもの運動量を測定する類似の手法では、よく研究室にある施設に子どもを連れてきて、そこで1日疑似的な運動をして、その調査データを分析する……というものがあります。しかし、子どもを慣れない環境で運動させたデータは正確なデータとは言えません。その点、さんさんキッズシステムは普段通り、子どもたちが幼稚園・保育園・小学校で遊び回っている状況のデータを得ることができます。

編集部:子どもたちの本当の運動量を計測できるわけですね!

現場で働く人の労力や導入の金銭的負担を極限まで減らしたシステム

編集部:さんさんキッズシステムの測定方法は、具体的にはどのようなものなのでしょうか?

黒田:「活動量計」とよばれる重さ10グラムの装置を子どもたちに身につけてもらいます。もちろん、乳児を想定して誤嚥を防ぐための二重、三重の対策をしています。保育園や幼稚園に登園したら、それを子どもたちが自分で身につけ、降園時には取り外します。データの吸い上げは1ヶ月に1度だけ行います。