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「育児の記録」を残すだけでなく、パパ・ママをサポートする機能が強力!!「授乳ノート」

本製品のポイント
  • 「授乳」「排泄」「離乳食」など、育児に関する様々なデータを記録できるアプリ
  • 「思い出づくり」「ほめ言葉」など、孤独になりがちな育児をサポートする工夫が満載
  • 「情報共有と通知機能」が、夫婦や親族による育児を強力にバックアップしてくれる

今回ご紹介する「授乳ノート」は、産後間も無くから、さまざまな育児に関するデータを記録できるアプリ。夫婦間や親族間の情報共有も可能で、他にも育児をサポートしてくれる工夫が満載されています。そんな同アプリは「BabyTech® Award Japan 2020授乳と食事部門」で優秀賞を受賞しました。そこでBabyTech.jp編集部は「授乳ノート」を開発した株式会社カラダノートの生出 和紀さん(以下、敬称略)に取材を行い、同アプリの概要や開発の経緯、今後の展開について伺いました。

(お話を伺ったのは)

株式会社カラダノート
生出 和紀(おいで・かずき)さん

「データの記録」だけでなく、「思い出作り」や「ほめ言葉」で育児をサポートする

編集部:本日はお忙しいところ、大変ありがとうございます。さっそくですが、「授乳ノート」の概要と特徴について伺えますか?

生出:本アプリは「授乳ノート」という名前ですが、「授乳」や「哺乳瓶によるミルク」の時間や量だけでなく、「排泄」、「離乳食」、「おやつ」、「体温」など育児全般のデータを記録できます。また、ママだけでなくパパ、おじいちゃん・おばあちゃんも共有して使えるアプリとなっています。

全体的にかわいいデザインが特徴の『授乳ノート』

編集部:いわゆる「育児記録アプリ」は他社からも出ていますが、「授乳ノート」の特徴はどういった点でしょうか?

生出:同種のアプリにない特徴として、『できたよ!』という「できたこと」や「思い出」を写真とセットで記録する機能があります。「初めてのパパだっこ!」「ドキドキ☆沐浴デビュー」「早いぞ!ハイハイ!」など100以上のサンプルタイトルを用意していますが、タイトルは自由に変更できるので、ご家庭の日記として利用いただくことも可能です。また、『まごノート』というおじいちゃん・おばあちゃん用アプリも用意しており、そちらに『できたよ!』の内容は共有できます。もともと『授乳ノート』でも共有できるのですが、育児の日々の記録をおじいちゃん・おばあちゃんと事細かに共有したくない……でも思い出の写真などは共有したい、という声から別アプリを作りました。『まごノート』は『できたよ!』の共有に特化しているため、非常にシンプルで操作しやすいというメリットもあります。

※(編集部注)「できたよ!」機能は2022年12月に提供を終了しました

『できたよ!』に、どんどん家族の楽しい思い出が増えていく

編集部:たしかに詳細な育児データより、孫の可愛い写真の方が喜ばれそうですね。ところで『授乳ノート』の特徴ですが、実際に使ってみたときに、「初授乳おめでとう!」というメッセージが出てきて驚きました。これもかなり珍しい機能ではありませんか?

生出:TwitterやSNSなどを見ていても、ママにとって育児は褒められることがほとんどなく、やって当たり前と思われている……という声がよくあります。そこで少しでもアプリがママの支えになったり、心の安らぎになったらいいなと考えて導入しました。

編集部:ほめ言葉のバリエーションはどれくらいあるのですか?

生出:授乳や哺乳瓶を使った記録に応じて、キリの良いタイミングでメッセージが出てきます。また1歳までは毎月の誕生日に「1ヶ月おめでとう」、「3ヶ月おめでとう」といった画像も出ます。

編集部:育児の記録をするだけのアプリが多いなか、これも大きな特徴ですね。

こんなうれしい「ほめ言葉」が表示される

より多くの人に、より長く使ってもらうため、大規模なリニューアルを実施した

編集部:このアプリが開発されたきっかけを伺えますか?

生出: 2014年7月30日に本アプリがリリースされた頃、当社は妊娠・育児に関する複数のアプリを提供していました。「授乳ノート」はそのシリーズの1つだったのです(編集部注:同社は他に「離乳食アプリ」、「陣痛記録アプリ」など、機能特化型アプリのシリーズをリリースしている)。私が入社した3年前まで、『授乳ノート』は名前の通り、授乳に特化したアプリでした。記録できる内容は現在と変わりませんが、トップ画面に並んでいるのは「授乳」に関する内容がメインでした。

このように「授乳」ばかりを押し出したために、アプリを利用するのがママばかりになってしまう……という傾向がありました。実際、リニューアル前に「共有機能」を追加したのですが、共有されたパパ側のアプリ起動時の画面も「授乳タイマー」などだったため、「共有された側がどうして良いか分からない」「何を見たら良いのか分からない」というご意見があったのです。さらに、授乳する期間は生まれてから離乳食が始まるまでの数ヶ月しかありませんから、どうしても「生まれてから5ヶ月目くらいまで使うアプリ」という印象をユーザーの皆さんに与えていました。

そこでママだけでなくパパにも、そして授乳期間以降も末長く使っていただきたいという思いから、アプリ起動時の画面を「タイムライン(時間軸)にしてどんな記録を行なったのか一目で分かるものにする」「その他のメニューボタンも配置する」など、現在の形にリニューアルしたという経緯があります。

編集部:「単一機能型アプリ」から「マルチ機能型アプリ」に印象を大きく変えられたわけですね。結果としては、どのような評価だったのでしょうか?

生出:リニューアル直後は昔のシンプルな画面に慣れていた方などから、「使いにくくなった」「前の方がボタンを押しやすかった」という声もありました。しかし、結果としてリニューアル後の方がユーザー数、利用期間ともに伸びているので、この変更は評価いただいていると思います。

かつての「授乳ノート」のトップ画面

「情報共有・通知機能」は、育児のさまざまな側面をサポートしてくれる

編集部:利用者の感想、ダウンロード数はいかがですか?

生出:これまでに累計100万ダウンロードほどです。7割くらいのユーザーがママですので、今後はこれをパパとママで半分ずつくらいに持っていきたいと考えています。良い評価としては、「シンプルで直感的に記録しやすい」「他社の育児記録アプリよりアイコンなど見た目が可愛いから使っている」といった声があります。また改善すべき点としては、アプリでつけた記録を印刷・製本したいという声がありました。これができる育児記録アプリと比較し、そちらのアプリを選んだ……という声もありましたし、印刷・製本できることが「記録のモチベーション」になると言う声もあったので、今後取り組んでいきたいと考えています。

編集部:パパユーザーからのコメントはありますか?

生出:仕事をしていても、授乳やおむつを変えたタイミングで通知が行くので、離れていても育児の流れが分かる、育児に参加できている感覚があるというコメントを頂きました。また、パパに子供を預けてママが出かけた際、パパの育児記録の通知がママにいくので、ちゃんとパパが子供の世話をしていることが分かって安心できる、というママの声もありました。

編集部:たしかに安心できますね!

生出:想定していなかった使い方としては、さまざまな「お世話(授乳、排泄etc)」の各項目の「メモ欄」の使い方があります。これは本来、食事なら「ご飯を少し残した」とか、排泄なら「ウンチがゆるかった」など、お世話したときの状況を書いていただくイメージだったのですが、ママのつけた育児記録のメモ欄に、「お疲れさま」といったメッセージをパパが書き込んでいる……というユーザーの投稿をTwitterで発見しました。これはまさに同じアプリを共有しているからこそできるコミュニケーションですし、そう言ったリアクションやコメント機能を正式にアプリに搭載してもいいな……と思いました。

各項目には自由に記入できる「メモ欄」がある

編集部:おじいちゃん・おばあちゃんユーザーからのコメントはいかがですか?

生出:ママユーザーからのコメントですが、自分の母親と育児データを共有できるのは良かったという感想がありました。

編集部:自分の母親と『授乳ノート』を共有すると、育児で悩んだときにアドバイスがもらえそうですね!

さらに多くの人に「授乳ノート」を使ってもらうため、パパの利用を推進したい

編集部:今後の展開としては、どのようなことをお考えですか?

生出:『授乳ノート』の認知面の改善ですね。やはり、ママがメインに使うアプリだと思われているので、パパがメインで使ってもいいんだよ、おじいちゃん・おばあちゃんも使っていいんだよ、という誰が使ってもいい育児アプリとして認知を上げていきたいです。パパの認知を高める方策としてはまだ企画段階ですが、アプリの見た目やデザインがママ専用という印象を与えているので、もう少しパパよりのデザインも検討しています。

個人的に実現したいのは、アプリを共有しているパパ・ママの間でコミュニケーションできる機能ですね。現在は、まだまだママに言われて『授乳ノート』をインストールして、ただ見ているだけ……というパパが多いと思いますので、パパからアクションして、きちんと育児に関われるお手伝いができたらいいな、と考えています。

取材を終えて

さすがリリースされて7年ということもあり、その使い勝手の良さは細かいところまで行き届いています。利用中にストレスを感じることは、まったくありませんでした。文字やアイコンの見やすさや入力のしやすさ、思い出の写真を増やしていく『できたよ!』の楽しさなどからは、子育てを少しでもサポートしたいという同社の思いが伝わってきます。今後のアップデートではアプリ共有者間のコミュニケーション機能も追加されるかもしれないとのこと。ますます子育て夫婦にとって、欠かせないアプリになるかもしれません!

「授乳ノート」 公式ホームページ
https://corp.karadanote.jp/archives/application/%e6%8e%88%e4%b9%b3%e3%83%8e%e3%83%bc%e3%83%88