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「妊活」を意識したら、まずは登録したい画期的な妊活サポートサービス「ファミワン」

本製品のポイント
  • 妊活のさまざまな側面で専門家が相談にのってくれる「妊活サポート」サービス
  • 「これは病院に相談できない」「ネットの情報は信頼できない」といった悩みを解決
  • 企業や自治体との連携も進めており、今後の妊活には欠かせない存在に!

「ファミワン」は妊活をしている方やこれから妊活をはじめようと考えている方が、「不妊症看護認定看護師」や「臨床心理士」といった専門家からサポートを受けられるサービス。LINEをプラットホームにしており、非常に使いやすいのが特徴で、「BabyTech® Award Japan 2020妊活と妊娠部門」で大賞を受賞しています。BabyTech.jp編集部はファミワンを開発した株式会社ファミワンの代表取締役である石川勇介さん(以下、敬称略)に取材を行い、同アプリの概要や開発の経緯、今後の展開について伺いました。

(お話を伺ったのは)

株式会社ファミワン
代表取締役 Founder&CEO 石川 勇介さん

妊活の周辺には、誰にも相談できない悩みが数多く存在している

編集部:本日はお忙しいところ、大変ありがとうございます。さっそくですが、「ファミワン」の概要と特徴について伺えますか?

石川:「ファミワン」は妊活を意識されたばかりの方から、すでに体外受精を行うなど本格的に妊活に取り組まれている方まで、「妊活をしているすべての方」が気軽に専門家のサポートを受けられるサービスです。その特徴は2つあります。

1点目は「妊活をスタートされた方」だけでなく、「妊活をどうしようかな……」という段階の方にも使っていただけることです。まずは妊活の基礎的な情報を知りたいという方だけではなく、例えば「妊活を始めるかどうかについて、妻とケンカをしてしまった」とか「妊活をしたいと思っているが、夫にどう伝えたらいいか分からない」といった内容まで妊活を始める前の段階から、ご相談いただくことが可能です。

2つ目は、信頼できる専門家が対応している点です。不妊症看護認定看護師、臨床心理士、クリニックに勤務する培養士(体外受精で受精卵を作成する技術者)、ご自身が妊活・不妊治療の経験があるカウンセラーなどがチームを組んでいるため、基本的にどのようなご相談についてもアドバイスを行うことが可能です。過去のアドバイスも踏まえた上での回答をする仕組みになっていますし、一部の専門家だけでは対応できない相談は他の専門家とも相談するケースもあり、妊活に取り組む方にとって最適なサポートできる設定となっています。

編集部:そのような専門家にLINEで相談できるのは心強いですね。


ファミワンではLINEを使って相談ができる

石川:LINEの運用を具体的にご説明すると、チャットのようにやり取りをするのではなく、LINEで頂いた質問への回答・アドバイスはURLをお送りし、そこをクリックすると別ページに飛んで閲覧できるようにしています。この仕組みは、ご相談に対する回答・アドバイスは長文になるためLINEでは読みにくいこと、情報の管理集約を適切におこなうこと、それから相談者の方と適切な距離を保つことを目的として取り入れました。以前、チャット形式でも運用してみたのですが、延々とやり取りが続いてしまったり、ご相談者の方が専門家に依存してしまうケースもありました。妊活の主役はあくまでご自身、またはパートナーであり、私たちはそれを支える立場であることを明確にするため、そのような仕組みにしています。

ファミワンのほかにも、世の中には個人として妊活相談に対応されている不妊症看護認定看護師や臨床心理士の方は大勢いらっしゃいます。その中でも、ファミワンは多数の方からのご相談にも対応できる体制を整えている点、また1人の意見ではなく複数の専門家の意見を踏まえてご相談に対応している点が、大きな特徴だと思います。


質問したい事項を送ると、回答・アドバイスがもらえる

編集部:私も不妊治療を経験したのですが、あのときにファミワンのような専門家による相談サービスがあれば、非常に心強かったですね。ネットの情報に振り回されてしまった面もありましたから……。

自身の妊活経験からファミワンの開発を決意!

編集部:「ファミワン」を開発されたきっかけは、どのようなものだったのでしょうか?

石川:きっかけの1つ目は、私自身も妊活で悩んだからです。当社を設立した2015年の1〜2年前、私も不妊治療で病院に行く・行かないといったことで妻とたくさんケンカしましたし、実際に通院した後も分からないことだらけ……という経験をしました。治療に関しては医師に聞くこともできますが、日常生活で意識するべき点や二人でどう取り組めばいいか等は、情報自体はネット上に溢れているものの、どれが本当に正しいかは判断できませんでした。また、2つ目のきっかけとして、私は起業前に医療系の会社に勤務していたので、これだけ不妊治療に対する正しい知識が世の中に伝わっていないのであれば、医療に携わる側としてなにかできることがあるのではないか、と感じました。この2つがファミワンを起業した理由です。

編集部:ご自身の妊活のご経験がベースにあるのですね。

石川:私は医療業界にいたので、ネットで妊活に関する記事を調べ、「これはエビデンスがまだない情報だ」「これは根拠のある情報だ」と見分けることができましたが、一般の方が研究論文や学術誌までチェックすることは難しいと思います。そうすると気付かないうちに、多くの方が正しくない情報を受け入れてしまう危険性があると感じたわけです。

編集部:そういう方を少しでも減らすため、ファミワンは無料でも使えるのですね。

石川:その通りです。妊活を始めたら、まだ悩んでいなくても、とりあえず登録していただきたいと考えています。実際、ファミワンのユーザーの6割は病院を未受診の方で、2割がいわゆるかかりつけのレディースクリニック(一般婦人科)に通っています。つまり、8割のユーザーは不妊治療専門のクリニックには通っていないタイミングでも、ファミワンを使ってくれています。まだ本格的な妊活を始めていない方にも使っていただきたいという私たちの目標は、ある程度実現できていると考えています。

編集部:ファミワンの無料版ではどのようなことができるのでしょうか?

石川:初回に回答いただく40問ほどのチェックシートを踏まえたアドバイスを受け取ることや、病院選びの相談対応などが可能です。妊活情報や関連商品のキャンペーン情報などを受け取ることもできます。不定期に妊活の状況を伝えていただくと、自由相談ができるチケットを提供するなども行っています。


チェックシートは、答えやすい一問一答形式となっている

編集部:ファミワンの開発で苦労された点は、どういったところでしょうか?

石川:一番苦労したのは、どのようにニーズに応えるサービスにするかという点です。妊活の最大のニーズは「妊娠したい」ということなので、そのニーズにストレートに応えると「妊娠させます」というサービスになってしまいます。しかし、それは誰にも保証できないことですし、私たちが目指しているものでもありません。ですから、「妊娠したい」というニーズに対して、「早くから妊活に向き合ってほしい」「正しい情報に基づいて、少しでも後悔の少ない妊活をしてほしい」「きちんとパートナーと話し合ってほしい」といった価値の提供を目指したところが大変難しかったです。サービス内容そのものを10回くらい変更し、現在のLINEをプラットフォームにしたサービスになってからも、改善し続けています。

編集部:試行錯誤されてきたのは、どのようなサービス内容だったのですか?

石川:メディアやコミュニティの構築、月額制の妊活フルサポート、妊活を数値化してその数値を上げていく形式のサービスにも取り組みました。多くの方の声を聞きながら、開発や提供の改善を行ってきています。

編集部:現在のLINEをプラットフォームにした相談サービスというのが、ファミワンのほぼ完成形というイメージでしょうか?

石川:いえ、まだまだ改善の余地があると思っています。より多くの妊活に関心を持つ方、さらには妊活を考えていない学生さんや社会人1年目の方にも利用していただきたいですし、理想的には、妊活・不妊治療だけでなく、その後の妊娠・出産・育児まで継続的に支援し、更年期に関してのご相談にも対応していくような形に発展させていくつもりです。

編集部:「人生全般」の専門家チームによるサポートサービスということですね!

「妊活に取り組む人」と「妊活を支える人」をむすぶ架け橋のようなサービス

編集部:ファミワンの利用者数と利用者の感想について伺えますか?

石川:現在、2万5,000人の方にご登録いただいています。ユーザーからの感想としては、「アドバイスを読んで泣いてしまいました」、「いただいた返信を何度も何度も読み返しています」、「自分が悩んで苦しんでいたことに今、気が付きました」といった内容をいただいています。本当にありがたいと思いますし、同時にこれからもしっかりとしたサービスを提供しなければと身の引き締まる思いです。

また、「出産しました」、「あのとき病院に行く背中を押していただいたおかげで無事授かることができました」といったご報告もいただいています。当社のサービスの場合、「妊娠しました」というご報告をいただいた先は現在はサポートできないわけですが、それでも出産した後に思い出してご連絡いただけるのは、本当にうれしいです。

編集部:ちなみに、ファミワンの専門家チームは、何人くらいですか?

石川:20〜30人くらいで、全国に散らばっています。勤務形態もさまざまで、当社の正社員の方や月額単位で契約されている方、アドバイス単位での契約の方もいらっしゃいます。また、勤務されている病院が副業禁止のため、正式にアドバイザーチームには参加いただけないものの、いろいろなご相談や単発の業務(イベントでの講演など)にご協力いただける方はさらに大勢いらっしゃいます。東京大学との共同研究や、生殖看護学会にてファミワンの不妊症看護認定看護師が発表した様子などをみて、信頼できる会社としてチームに加わりたいと連絡いただくことも多いです。


ファミワンは多くの専門家やスタッフに支えられている

編集部:その方たちはファミワンでの仕事について、どのような感想をお持ちですか?

石川:基本的に不妊治療の現場で働いている方たちが多く、勤務している病院では「病院のスタッフ」として患者さんに対応しなければなりません。すると、本当はもう不妊治療をやめたほうがいいかもしれませんという話や別の病院を考えてみるのもいいかもしれないといった話は言えないわけです。また当然、まだ病院に来ていない方に対し、正しい妊活の情報をお伝えすることもできません。ファミワンはそういう立場を超えて、純粋に妊活をされている方にとって良いと思われることを全てお伝えでき、また病院に来ていない方にも声がけできる場になっている点が良い、と感じていただけているようです。「ファミワンに参加できて、すごくうれしいです」と言っていただくこともあります。

みんなが「妊活」を認め、応援してくれる世の中を目指して

編集部:ファミワンの今後の展開を伺えますか?

石川:まず、企業の福利厚生や自治体での利用を強化していきたいと考えています。やはり妊活を取り巻く社会の流れを変えるには、日本中の企業や自治体が妊活・不妊に関する支援を行うようにすることが大切です。そのためには妊活の当事者だけでなく、新入社員研修や管理職研修にも妊活・不妊治療の内容を盛り込むことが必要でしょう。企業に対してはこれまで福利厚生としての離職防止の観点などから、2018年9月より小田急電鉄やミクシィグループへの導入、ソニー、全日本空輸株式会社(ANA)、伊藤忠労働組合などへのセミナー開催などをおこなってきています。現在、東京メトロやコミクスをはじめとするいくつかの企業へも導入が新しく進んでいます。三菱地所のプロジェクト「まるのうち保健室」とは、女性が働きやすい環境づくりのために新しいサービスを展開する準備を進めており、そのトライアルとしてグループ企業を含む従業員向けに、ファミワンを導入しています。また、自治体に対しては2020年度は神奈川県横須賀市にモデル事業として「妊活LINEサポート事業」を提供開始し、2021年度は横須賀市の正式提供に加えて、群馬県邑楽町やいくつかの自治体にファミワンが導入される予定です。今後は、この取り組みをますます強化していきたいです。


さまざまな企業と自治体で導入が始まっている(編集部注:数値は日本に存在する各規模の企業数)

また、医療との連携を強化することにも取り組んでいます。その取り組みの一つは、ファミワンがもっと医療機関と患者の方たちの「橋渡し役」になれる仕組みを、病院選びのサポート以外でも構築することです。もう一つの取り組みとして、医学的にエビデンスのある妊活・不妊治療に効果的な生活習慣のアドバイスができるよう、東京大学と共同研究を行っています。妊活・不妊治療については、医学的な治療以外に何をしたらよいのか非常に皆さん悩まれているので、「こういうことをすると妊娠に近づけますよ」という医学的根拠を踏まえたアドバイスを発展させていくつもりです。

編集部:医療機関と患者の方たちの「橋渡し役」とは、具体的にはどういうことですか?

石川:医療機関に来られる患者さんは、基本的に医師や看護師さんに相談するわけですが、なかには遠慮して聞けない相談内容もあります。たとえば、「一度聞いた薬の説明を、また聞くのは申し訳ない」、「今の治療でいいのだろうか」、「転院してもいいだろうか」といった内容です。また、「夫婦間のコミュニケーションの悩み」「不妊治療に関連して起きる職場の問題」といった「医療系以外の相談」もなかなかしにくいですし、そもそも医師側として答えられないという問題があります。そこで医療機関とファミワンが役割分担をして、医療に関することは病院の医師や看護師が、それ以外の気持ちの部分や夫婦の話、薬に関する説明などはファミワンで提供できるような形を作っていきたいと考えています。この構想は、すでにいくつかの病院と連携して進めています。

編集部:ファミワンと提携することで、不妊治療をしている病院の顧客満足度が向上しそうですね!

石川:また、自治体や企業への導入を強化していくのは、妊活は非常に身体的な負担が大きいのに企業が理解を示さない、休ませないという世の中を変えていくために必要なことです。「妊活は当事者だけの問題でしょ」と言われがちなのですが、当事者以外も知っておくべきところをしっかりと広めていくつもりです。

 

取材を終えて

インタビューでも語られましたが、サービスを立ち上げた理由のひとつに、ご自身の不妊治療体験があるため、とにかく「まっとうなサービスをユーザーに提供したい」という強い意志を感じました。世の中には不妊治療に取り組む人の不安感につけ込む商品やサービス、正しい医療知識に基づかない怪しげな情報が溢れています。ファミワンのような本当に頼れるサービスの存在が、より多くの人に届いて欲しいと思います。

「ファミワン 公式ホームページ」
https://famione.com/

「ファミワンと横須賀市の連携に関するプレスリリース」
https://famione.co.jp/2020/05/13/yokosukashi/