非常に刺激的な記事が掲載されていました。
同社の主力ビジネスはセキュリティ、次いでAI(人工知能)だ。セキュリティやAIは、サービスがあって必要とされるもの。「IoTを肌身に感じられるサービスってなんだろうと模索していたが見当たらなかった」という江川社長は2016年、暴挙に出る。「それだったら分かりやすく『家』ってことで、家に関するサービスを作ってしまおう。IoTマンションでも始めてみるかと軽いノリで建ててみた」。
私費の1億5000万円を投じて、都内に3階建て全6戸のIoTマンションを半年かけて新築。2017年2月から江川社長は家族や社員たちと暮らし始めた。IoTマンションといっても「手元のスマホで外出先からでもエアコンをオン」「スマートロックで物理キーはもう不要」「AIスピーカーに話しかけて家電を操作」といったレベルでは無い。家中に備え付けたセンサーであらゆる行動をログとして収集・分析するマンションだ。
1.5億円の身銭で建てたIoTマンション、生活ログだだ漏れでも成功はまだ先
SELTECH社というセキュリティやIoT技術のソフトウェア開発のベンチャー企業の社長をされている江川氏が、私費で1.5億を投じて新築でIoTマンションを作ったという内容で。目眩がするスケールですね…
スマートホーム構想というのは、あくまでハブでしかない。ソフトウェアの世界においてはミドルウェアという立ち位置になるため、フロントのアプリケーションが増えてこないと、蓄積されたデータをどう活かすかという未来が見えてこないので、消費者がお金をかける意味がない。これが現状のスマートホーム構想の大きな課題だと見ています。
江川社長も、以下のように発言されておられました。
さらに「IoTは人を豊かにする何かだが、その何かが何なのか、どこに向かうのかまで検証できていない段階」と江川社長は続ける。住んでいる人の趣味嗜好が分かれば、自動車メーカーがドライブ先を案内する用途が考えられるという。在宅かどうかが分かれば、配送業者があらかじめ不在時を避けて配送ルートも組める。「IoTマンションの分析結果がいろんなマーケットの人をコネクトさせて、サービスを今までなかった次元に持っていける」
IoTマンション(スマートホームと言い換えても良い)の分析結果によって、分断されていたマーケットに橋がかかり、新しいマーケットが生まれるのでしょうか。生まれるとしたら、介護か育児(BabyTech)のように技術で人を見守る為の分野な気がしていますが、今後5年間は世界で何兆円規模の投資がされて、未来への礎が整ってくるのでしょう。
ハードウェアはソフトウェアを超えることが出来ない。スマートホームについて考えると、常にそのことが思い起こされます。